看護記録のかな漢字変換

ジャーナル書いたりなんだり、あと松本研の合宿が今週土曜と日曜なので、その準備とかなんだとかで、今週は京都と奈良を往復している暇はないのだが、せっかく京都だし、やっぱり行くしかない、と思って足を運ぶ。

午前中の若手の会セッションは NAIST 松本研の M1 の人たちががんばっていたようだ。@shirayuくんが Google 日本語 N グラムを使った対話システムについて(他のメンバーは重複を除くと @o_bon, @hayatom, @tettsyun の3人(敬称略))、@rytkturくんがペルシャ語の辞書引きシステムについて、そして@smlyくんが Probabilistic HITS を使った文書要約について。みなさん M1 なのにこんなばしばしポスター作って話していてすごいなぁ。

自分的に今日聞きたかったのは

について。すでに Emacs 上で動いているらしく、変換ログもためているそうで、さすが〜。上記予稿には変換結果も載っているので興味ある人はどうぞ。

あと質疑応答で J 社の人が看護記録の入力が難しいという話をされていて、え、そうなんだ、と思って夜妻に電話で聞いてみたら、あるわあるわものすごい数の言い回し……。血液中の酸素量のことサチュレーションというらしいのだが、これが SPO2 とかサット(?)とかなんだとか、同じものなのに3種類とか4種類とか呼び名があるのは普通(数分で20個x4種類くらいひたすら言われて呆然とした)で、病院ごとに違うのもよくあって、場合によると病棟ごとに違うことすらあって、看護記録は医者が見ても読めないのだと。ただし、看護師だったら聞いたことない呼び方や見たことない書き方でも、症状や処方を見て雰囲気で意味が分かるのだとか……。

彼女はいろんな科の人が来るところで働いていたので、どの言い方で言われても分かるとのことだが、そういう用語は学生のうちでは(病院実習はあるのだが)身につくものではなくて、最初に働き始めた病院で、先輩から「これってどういう意味ですか?」と聞いたりして数年かけて学んでいくものらしい。(「二酸化マンガン」が「カマ」になるとか←「二酸化マンガン」じゃなくて「酸化マグネシウム」らしい。@oga_jpさんありがとうございます!)

これ、申し送りの記録っていま電子的に入力しているのかなぁ? 医師だったら医療用語辞書とか小まめにメンテナンスしてそうだが、看護師はそんなのやらなさそう(忙しいし)だし、これはかな漢字変換でどうこうなるようなレベルではないような……。(こういう用語の使い方されるとわかんないので、厚労省の勧告が入って分かる用語を使うようにはなってきているらしいが)

こういうのってなにができれば自然言語処理の人は喜ばれるんだろうか? と思ってしばし悩んでしまう。

(でもここまで使う言葉に身体性があると、医者は国境を越えて働けても看護師は国境を越えられないんでは、と危惧したりもする。国境=文化の違いというわけではないが……)

次のセッションは会場の人たちと話していたりしてほとんど終わってしまった。なにやってんだか……。@hillbigくんの「ベイズ全域木モデルによる文書クラスタリング」を聞きたかったのだが、人も多くて挫折。しかし毎回(半年とか数ヶ月くらいで)違うネタを話していてすごい。自分は1年で1ネタくらい……。

お昼は前から約束していた @mhagiwaraさんと食べる。@makimotoくんも合流したので、ウェブ業界の裏話をいろいろ聞く。けっこうバイドゥいいんでは?

昼直後は @cacahoさんの国際会議(NAACL-HLT 2009)参加報告くらいは聞きたかったのだが(他の会議は出たから聞かなくてもよかった)、帰って続きやらないと、と思って去ることに……。今回の会場の京都大学国際交流ホール(時計台)というの、かなりよい会場だったな〜。費用も高かったらしいけど……。

午後も岡崎さんの「高速な類似文字列検索アルゴリズム自然言語処理への応用」というのを聞きたかったのだが、当然のことながら聞けず。最優秀発表賞だったと聞いて、あー、やっぱりそうだったかー、と思ったり……。昨日紹介した @niam さんと @ARAMAKI さんも優秀発表賞だったそうで、おめでとうございます!!