科学哲学を始めて10年目

夜学部時代の同期が4月から富士山のマスターになるというので歓送会。自分の代の科学史・科学哲学分科の同期は5人で、理1から2人、理2から2人、そして文3から1人(←自分)だったのだが、理2出身の彼は学部を卒業するとき雪崩の研究をしに行くために大学を移るというのでびっくりした、という記憶がある。そのときは元々理系だしそんなもんかー、と思ったのだが、その後修士を出たらまた科哲に修士で戻ってきたので、あれ、どうしたんだろう、と思っているうちに、修士もこの3月で終わりで、富士山に就職することになった、というわけ。

考えてみると自分が奈良に行こうかなと思ったのも、やりたいことがあったら大学を変わってもいいんだ、と彼の姿を見て思ったところもあるので、ちょっと思い出してじーんとなったり。けっこう東大の人は東大から外に出ることに対して「都落ち」と思ったりする人、いると思う。思わない人も当然いるけど……。自分としては周囲の人の(どちらかというと東大の中で研究分野を変わったほうがいいんじゃないかという意見が大勢だったが)意見も参考にしつつ、NAIST に来て本当によかったと思っているので、彼には感謝している。レールを外れるのが怖いのは普通だし、自分も怖くなかったわけではないけど、留年したり大学変わったりするのは別にそんなマイナスのことはないんじゃないかな?というのが率直な感想。どこにいてもどういうことをしていても、そのときそのときでやっていることでみんな評価してくれていると思うし、学歴でしか評価されないってことはあまりない気がする。むしろ東大にいると有象無象の一人になってしまいがちだが、NAIST知名度がないので逆に自分が活動することによって NAIST知名度が少しでも上がるのは嬉しいし。けっこう人柱的人生、好きなんです。

としみじみしていたら @syou6162 さんの大学院を変えますという話を聞いたりして、賛成半分反対(不安?)半分という感じでコメントしてみたり。確かに NAIST は(特に松本研は)分野を移ってくる人に対するフォローアップが非常に手厚いし、勉強会が週10個くらい開催されている(たとえばここに書いてある時間割を見てもらえれば。M1 の人はこれらに加えて授業が午前中から午後にかけて1日2-3コマくらいある。死にそうなくらい勉強していた気が……)ので、知識をつけたい人は欲求が満たされるだろうし、みんな同じような感じなので仲良くやれる、というのも大きいかも。(けっこう研究は厳しいけど、就職する人でも「ここで2年間研究できてよかった」と言って出て行く人ばかりなので、そういう意味でもいい研究室だと思う)

別れ際これから旅立つ彼をハグしたら「そんなキャラだっけ」と言われたのだが、確かにオーストラリア留学前(科哲に進学した直後くらいまで)は違ったかも? いまはこんなキャラだけど(笑)

またいつか富士山登るので、そのとき積もる話でもしましょう!