沈黙を破ったホリエモン,ITを語るという記事を知る。
読んでみるとホリエモンも割とおもしろいことを言っている。やっぱりちゃんと技術分かっている人なんじゃないかと思う。
Googleが世界一になれたポイントは何だと思いますか。
——PageRankのロジックをベースとした検索エンジンを発明し,それを広告事業と結びつけることができたからだと思います。
そういう発想ではダメだと思うんです。
Googleが秀でていたのは,検索エンジンに対する考え方です。Googleというのは「インフラ屋」,あるいは「サーバー屋」なんですよ。つまり,いかに安くサーバー機を調達し,そのサーバーを大量に置けるデータセンターを構築できるかというところに注力したことです。広告ビジネスで重要なのは,いかに速く検索結果と広告を表示できるかというスピードです。僕はGoogleが成功した真の理由は,そこにあると思います。
記者の人はそれなりにこの業界に詳しいライターさんのように見受けられるが、優等生的な解答を出す記者に対してガツンと一言言うところとか、なかなか見所がある。インタビューを通じて(特に後半)記者はなんか意地悪な応対をしているが、ここではホリエモンのほうが大人な対応に見える。
ソニー買収計画に関しても、こんな感じ。
ソニーが魅力的だったのは,音楽と映像のコンテンツを保有していること。それにオーディオ機器やモバイル,有機ELなどの技術。金融商品もあり,FeliCaの技術もある。逆にいらないと思っていたのは,大型テレビなどの家電製品で,中国の家電メーカーに売却するつもりでした。ゲーム機事業もいい時はいいが悪い時のリスクが大きいので,マイクロソフトに売却してしまえばいいと考えていました。
そうして経営資源の選択と集中をして,iPhoneのような事業を展開できれば,コンテンツ力はAppleより強いわけですし,それがソニーの原動力になると信じていました。
善し悪しはさておき、長所を伸ばす(短所は捨てる)という戦略。まあ、この「分かりやすさ」というのが紙一重なわけだが……。政治家になったら受けていただろうなぁ。
gutti さんのコメントを受けて追記:
当時,僕は検索エンジンというのは,どれだけ多くのクエリー要求に対して 1台のサーバー機で処理できるかということばかりが重要だと考えていました。しかし,実際は1台のサーバーで最低限の同時接続をさばき,規模の拡大と共にサーバーの台数を増やしていった方が効率的だし,スピードも速いに決まっている。
ということで、検索アルゴリズムだけが重要なんではなくて、リスポンスタイムとかインタフェースとかそういうところが重要であるという認識で取り組んでいたのが Google の強みだったのではないかなと思います。(今でも Google のスペル訂正に匹敵するようなエンジンを備えた検索エンジンはないですし、Yahoo! や LiveSearch は検索結果が返ってくるまでの時間がしばらくかかります)
Google のハードウェアに関しては
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に書いてありますので(確か2005年当時の話なので現在も同じか分かりませんが)、興味があればどうぞ(論文自体は公開されているので web でも読めますが)。