読書の日

最近 Live Search からのリファラが多いのだがなんで?!

お昼電話で起きてむにゃむにゃ。もう10月下旬か、と思って漫画の新刊を調べたら『しゃにむにGO』と『スキップ・ビート!』が昨日発売らしいので、出かけることにする。

高校生のころまでは週刊誌(サンデー・マガジン・スピリッツ)兄弟で買って読んでいたが、一人暮らしするようになってから単行本派になったので、半年後に話の続きを読んだりするのが普通になった。とはいえ惰性でなんとなく続きを買ってしまう(往々にしてときどき巻数が抜けるのだが、それに気がつかないで読んでしまうことも多々)ものと、続きが気になるのでちゃんとチェックしているものと両方ある。上記の2冊は後者。

あと本屋に来たのでついでに自分のことかなと思って『高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院』という本を買って読んでみた。

一言で言うと

  • 大学院重点化は東大法学部の陰謀
  • 就職先がないことを伏せて大学院進学させた当局・大学・教授は詐欺

ということになるが、まあ書いていることの内容5-8割くらいは正しいが、喧嘩腰で書いているのと、そもそも誤字が多いのでうさんくさく見える(トンデモ本に分類する人もいるかもしれない)。あと記述内容が文科系の大学院の話だけなので、これ全部が全部そうであるかのように思わせるのはそれこそ詐欺じゃないか? 文科系の大学院は東大に行ってですらアカデミックなところに就職先を見つけるのは困難なので、旧帝大はおろか私大の大学院に進学したら厳しいのはたぶん周知の事実で、著者は「自己責任というのはおかしい」と主張しているが、仕事として見るなら行く職場の環境くらい(教授や学生課がなんと言おうと)調べるのは当たり前で、知らないで言って「だまされた」は ありえないんじゃないかと思う(なんとなく就職活動面倒だからやりたくない、という人につけ込んだ、というのはあるかもしれないが、別に就職活動から開放されたわけだから、お互い様では)。いや、もしかしたら本当にだまして進学させたケースもあるのかもしれないけど……。

あと講談社ブルーバックス福岡伸一プリオン説はほんとうか?タンパク質病原体説をめぐるミステリー』も読んでみた。この人の本は夏休みに講談社現代新書で『生物と無生物のあいだ』を読んでファンになったので、買おう買おうと思っていたのであった。ちなみに『生物と~』のほうはサイエンスの内容として研究者から学説のせめぎ合いの話になるところがおもしろいだけでなく、1/3くらいはアメリカでの研究生活がどんな感じかという話なので、人生のいずれかの時点で海外に研究しに行きたいと思っている人は必読ではないかと思う。

プリオンの話を初めて雑誌とか新聞で読んだのは中学生くらいのときだったと思うが、そのときは「たんぱく質が蓄積して病気の原因になるって? ありえない」と(たぶん他の人もそうだと思うけど)否定的に思っていたのだが、『生物と~』を読むと人間の体の中の分子はものすごいスピードで入れ替わっていることを知り、もしかしたらそうかも? と思ったりしていたので、1冊丸々プリオンの話を読めて満足。

生物の授業で「人間の細胞は毎日少しずつ入れ替わり、10年で元の細胞はひとつもなくなる、だからずっと同じ人間なんていないんだ」って聞いたときは「おおっ」と思ったが、細胞として同じでもたんぱく質レベル・アミノ酸レベルといった分子レベルでも(同じ細胞とはいえ)入れ替わっているということで、生物ってすごいんだなと思う。

内容自体はプリオンってのを提唱したのがまだ正体が分かる前で、専門誌に投稿する前に新聞に情報リークしたり、かなりマスコミを意識した「情報操作」っぽくて、結果もクロというよりはグレーで状況証拠しかない、みたいな感じのところを描いている。科学って高校の教科書に載るようなところだと割と白黒ついているところのことばかりだが、最先端のところは(特にノーベル賞とか絡むと)こういうドロドロしたところがあるのがおもしろい。