論文紹介

今日は意味・談話解析勉強会で Adam Meyers, Ruth Reeves and Catherine Macleod, NP-External Arguments: A Study of Argument Sharing in English, ACL(2004) Workshop on MWE という論文を紹介。名詞の述語項構造にどういうものがあるか、NomBankというプロジェクトで作成中のコーパス(大量の文章データに言語学的な情報を付加したもの)から分類してみて、これまでに研究された文法現象との類似点を指摘した、という論文。

日本語で同じような現象がどこまであるのか分からないが、名詞が述語項構造を取りうるかどうかは単語によって決まっていて、さらにどのような位置に項が現れうるかも単語によって決まっていたりする、というのはけっこうおもしろかった。

ただ計算機を使って云々という話は全くなくて言語学的な話満載だったので、他の M1 の人たちには「数式が出てこないのはちょっと」だったらしい(この論文で述べられているような言語学的な現象がおもしろいと感じるかどうかは事前知識の有無にも関係するだろうけど)。まあ時にはこんな話もあるよ、ということで。

松本研の勉強会で論文紹介するのは4回目だがだんだん慣れてきた感じ。入学したてのころ ryu-i さんが勉強会の前になるといつも「なにかおもしろい論文ありませんか? 今回のもつまんないから期待しないでください」と言っていて、論文全然読んだことなかったのでどれも興味を持って読めたので、そんなことないですよ、おもしろかったです、と答えていたのだが、自分で紹介する段になると、論文は数あれど紹介して他の人におもしろいと思ってもらえるような論文を探すところがいちばん大変。自分が論文書くときには逆の立場なので気合い入れないとな。