台湾周遊記2日目・日本語通じて驚いた花蓮

今日は汽車に乗って時計回りに台湾を一周する旅の出発。まず花蓮(Hualien)という都市に行く。

台湾は都市部以外電車がほとんど発達しておらず、もっぱらディーゼル車が走っている。もっとも速い汽車は自強號という列車で、長距離だとほとんどこの電車しかない感じ。もっと安い等級の汽車もあるのだが、いずれにせよ全部の等級を合わせて1時間に1本くらいしか動いていないので、わざわざ安い汽車に乗るために時間を調節したりしないかぎりは自強號に乗ることになる。

そういうわけで汽車の旅はじまりはじまり。乗って1時間くらいすると、PHSがぴりぴり鳴る。台湾でのPHS番号を教えてあるのは実家と台湾にいる友人2人だけなので、なにかと思うと、台中に住んでいるpalatisからのコールだった。会うのもこれが初めてだが声を聞くのもこれが初めてだったので、こんにちは、くらいしか言えないうちに、PHSのサービスエリアを出てしまい、通話不能になってしまった。PHS台北周辺、高雄周辺と台中でしか使えないのだった。ちなみに台湾では車内での携帯電話使用は無問題らしい。

花蓮に着くとまずpalatisに折り返し電話。電話カードを購入したほうがいい、とAndreaに言われていたので、駅のセブンイレブンで購入。なんか全ての駅にセブンイレブンがあり、町中も200mごとにセブンイレブンがある気がするけど、すごい数だ。対面にあったりして日本より数が多いかもしれない。コンビニエンスストア自体はセブンイレブンファミリーマート・あと台湾ローカルなコンビニの3種類を見かけたが、セブンイレブンの数が圧倒的に多い。Andreaも「セブンイレブンはどこにでもある」と言っていた。palatisにはPHSにかかってきた電話番号をチェックして電話をかけ、12 日に台中で会えることになった。東側にいるとインターネット接続もあるかどうか分からないし、電話で連絡する以外になかったので、よかったよかった。

台湾の中央部から東部にかけては山岳地帯になっており、昔は高山族とか高砂族と呼ばれていた人たち、つまり台湾原住民が住んでいる。花蓮も台湾原住民の中の1民族、アミ族が住んでいる場所である。また、この都市は日本が台湾を支配していた1895年から1945年までのおよそ50年の間、もっとも日本人が多かった都市らしい。

そういうわけでアミ族の文化を実際に見てみたかったのだが、駅前の観光センターで近くにある原住民族関係の施設や実際に原住民の人が住んでいる地区を訊いてみると、施設はあるが開くのは夜で、原住民の人が住んでいる地区は車でかなり遠い位置にあるので、このあたりは高山で風景がきれいだから風景を見に行きなさいとしきりに勧められる。観光センターでは、中国語で訊くと係の人が隣の人に台湾語で訊いて、それを中国語で教えてくれる、といった感じだったが、途中からなにやら英語を喋る人が出てきたので英語で会話することになってしまった。変な感じ。

とりあえず風景を見るよりは実際の原住民の居住地区に行ってみたいものだと思い、観光センター外でバスの時刻表を見ていると、なにやら日本語で「どこ行くの?」と話しかけてくる人が。これこれこういう理由でこういうところに行きたいので、バスに乗りたいのですが、バス停はどこですか、と言うと、ここに行きたいならバスじゃ不便だよ、タクシーはどう、としきりに粘られる。日本語が通じるのにも驚いたが、客引きの人だったか……。バスで行けないのであれば行かないつもりだったのだが、どうもバスも1時間に1本くらいのようで、行ったら帰って来られなさそうだったので、地図で見ると海が近くにあるので川沿いに砂浜まで歩いて行くことにする。

川べりを歩きながら、こういう旅行前もしたなあ、とぼんやり考える。これまで水辺を一人で歩いていると不意に孤独感を感じるというか泣きたくなることがあって、故郷が鳴門で海の側だから海が近いとなにか懐かしくてそうなるのかと思っていたのだが、実は川沿いを歩いているほうがそうなるのかもしれない。

海までは歩いて30分くらいで着いたので、あとは砂浜をずっと1時間くらい歩く。砂浜を見つけるとぼーっとしたりふらふら歩いたりただ眺めていたりするのが好きなのだが、砂浜のある海岸は1時間行ったところで切れていたので、一番南端のところで一休みし、ノートの端切れに手紙を書く。海だなあ。

実はそのまま阿美文化村というアミ族の紹介施設まで歩いていくつもりだったのだが、どうも地図が適当(たぶん歩いていく人がおらずタクシーで行くことを前提に書かれている)で、道に迷いかけてしまい、到達できなさそうだったので、予定を変更して花蓮の夜市をぶらぶら。台湾はけっこういろいろなところで夜市が開かれているようで、屋台があったり小店が出ていたりするので散歩しているだけでもけっこうたのしかった。