サーベイは教養としてやっておく

本日は学位記授与式。

出勤してメール処理して、あとは賞状の印刷。毎年追いコンでは学生の日頃の努力をねぎらうために、プチ賞状を用意しているのである。うちの研究室では、採択されたかどうかではなく投稿したかどうかを評価し、後輩の面倒を見て査読付き国際会議に通るところまで引き上げてくれる人を評価し、企業との共同研究で研究室にお金を持ってきてくれる人を評価し、といったような感じで、要は研究室運営に協力してくれる人をこの機会に褒め称えたいということである。しかし1年に1回しかこの作業をしないので、毎回何をやるのか忘れていたり、プリンタのドライバを入れ直したりしないといけなくて、無駄に時間を食う。

夜は八王子に移動して追いコン。学部の卒業生は全員進学するのであまり卒業式感はないのだが、修士の卒業生は研究室の第4期生で、研究室としては量・質ともにかなり安定してきた気がする。第4期生で一番研究室を支えてくれたのは @yukio_0326 くんで、本人の研究テーマはなぜかうまくいかないことが多かったのだが、下記にまとめてくれているように共著を含めて24件(年8件)も発表してくれた。うちの研究室、教員があまり時間が取れないのが根本的な原因ではあるが、先輩や同期、後輩といった他の人たちといかに絡めるか、というのが高速で研究を進めるポイントなので、一人でコツコツといったタイプの人は難しいが、こうやってグループで研究を進めるスタイルが定着したのはありがたかった。

あと NAACL に採択された @rxoxf くんが在学生への言葉でいいことを言っていて、サーベイはとても大事で、サーベイは研究テーマを見つけるためにするのではなく、他の研究をする人と対等に話をするためにするもので、論文を読んでいない人は論文を読んでいる人と対等に議論をすることができないので、他の人と有益な議論をするためにぜひサーベイしよう、と言っていて、自分もその視点は特になかったので、とてもいい考え方だなと思った。

また、ほとんど全ての卒業生が、研究室に来ましょう、研究室に来るのと来ないのとでは大違い、ということを言っていて、全く同感なのだが、 やっぱり M2 で就職が決まっても研究室に来るか、それとも就職が決まったら研究室にあまり来なくなるかが分水嶺である。研究室の初期のころは就職が決まると研究室に来なくなる B4/M2 がほとんどで、このころはトップカンファレンスに挑戦するのも正直厳しい(けどなんとかエンカレッジするしかない)と感じていたのだが、M2 でもずっとちゃんと研究室に来てくれれば、トップカンファレンスに論文を通したり論文誌に発表したりするのは別に夢物語ではなく、普通に手が届くことなんじゃないかなと思っている。うちの環境だと、研究成果が出るかどうかはほとんど研究室に来て研究した時間と比例しているので、とにかく研究室の滞在時間を増やしてほしいのである(だからといって強制はしていないが、研究室に来て研究していてくれれば、研究成果を出せるようにはしてあげられると思っている)。

いずれにせよ、この3年間は自分も研究室で研究するのが楽しみな時間だったので、今年の卒業生たちには大変感謝している。みなさんの将来に、幸あれ。今後ともどうぞよろしく。