論文の見切り発車はやめましょう

みなさんは広島で NL 研の最中だが、自分はニコニコ動画の配信を見つつお仕事。大学の回線だとニコニコ動画は視聴すらできないので、iPhone で見ている(iPad のプレイヤーは動かない)のだが、なぜこんなことをしないといけないのか……。申請すればポートは開いてもらえるらしいので、研究室と自分の居室のポートは開けてもらおう。

仕事はというと、10月にあるワークショップの原稿をひたすら添削しているのだが、正直他の原稿や仕事もあるのにこれに時間をかけてしまう自分が恨めしい。

というのも、査読付きの国際会議であれば、投稿を見合わせるというのが現実的な選択肢だろうし、最悪投稿してもひどい水準のものは(査読者には悪いと思いつつ)世に出ないと思うのだが、査読がない原稿というのはどんなクオリティのものでも出回ってしまい、かつ一度出回ると取り消せない、という致命的な問題があり、出しても問題ないレベルにはしておかないと、将来にわたって禍根になると思うのである。

出してもよいとゴーサインを出したのは自分であるが、拙速で出すのはやめよう、と深く反省した。去年と一昨年の経験から、見切り発車はしないこと、本人に書く意思がない場合に書かせたりはしないこと(書く気がないのに書かせようとすると、本来消耗しなくてよいエネルギーを消耗する)、を学んだはずなのだが、今回は論文ではないからと気楽に考えていたために、結果的に見切り発車だったと思う。それの帳尻を合わせるためにこんなに苦労するとは(学生たちはやる気があったので、最後はなんとかなかったが、シルバーウィーク前から10月中旬まで、自分の仕事時間の1/3くらいをこれに取られてしまった)。

学生が自分で考えたアルゴリズムをいろいろ試す、というのはよいことだと思うし、できるだけこういう挑戦は大事にしたいとは思うのだが、結局そういうことができるのは研究室に来てある程度経ってから、ということなのかなぁ。とりあえず、サーベイ量が足りていないと論文を書くとき死ぬほど苦労する(教員の持ちネタや先輩がやったネタの1つなら、サーベイで助けてあげることもできるが、自分で考えた手法の場合、自分が一番詳しい人になってないといけない)ので、まずはサーベイをしてもらう、に尽きるだろうか。