その昔 Theano で書いていた記憶

午前中は共同研究のミーティング。今年度の前半はよかったが、後半は思ったような実験結果が得られなかったのが気がかり。しかし、ちゃんと企業内のデータに特化した内容のことをやるなら、本当に「共同」で(つまり先方にも自然言語処理にそこそこ詳しい人がいる状況で)やらないと難しいなと思ったりもする。

お昼は教職関係の書類の準備。来年度から高校の教科「情報」の教職の認定が通ったらしく、2年間に渡る書類の準備が報われたが、今度は平成31年度のカリキュラム改定に向けて書類を準備しなければならないのである。文科省の胸先三寸で振り回される、ということを思い知らされる毎日であるが、大学教員を続けるなら仕方ないと割り切るしかない。

午後は [twitter:@so1owingpixy] くんが遊びにきてくれる。彼は研究室の1期生で、新しい研究を模索していて深層学習の研究に飛び込むきっかけとなり(最初は Theano で書いていたが)、自分が首都大に来て初めて首都大の学生と自分だけで査読付きの国際会議に通すことができた思い出がある。深層学習計算機係としても研究室の運営に貢献してくれて、大変感謝している。

現在の話を色々聞いたりする。NAIST 松本研にいたときも、修士を出て自然言語処理機械学習含む)関係の仕事が業務の一部に入っている人が1/3、所属する会社が自然言語処理機械学習含む)関係の仕事をしている(が自分は従事していない)人が1/3、それ以外が1/3、みたいな感じで、修士を出ても自然言語処理の仕事ができるのは1/3もいればいい方で、もっと一般的なソフトウェアエンジニアリングに興味がある方が(卒業したあと)いいのだろうな、と思う。逆に、大学院から「将来自然言語処理に関する仕事をしたい」と思って専門を変えるなら、博士後期課程に進学するつもりで来た方がいいだろう。

夕方は研究会で、言語処理学会年次大会の発表希望の学生たちの目次を確認したりする。一応これで全員分聞いたが、10件ほどになりそう。ちなみに今年は国際会議に通りそうもないネタはボツにしてきている。これまでは(特に新入生は)教育的効果を考慮して、査読なしならいいか、という内容でも OK してきていたのだが、学部生のほとんどが大学院に進学するようになった(大学院から外部進学の学生は原則として博士後期課程に進学希望の学生しか取らなくなった)ので、それなら査読付き国際会議に通るような内容で発表し、そのまま投稿できた方が(大学院で研究内容を変えるにしても)教育的効果が高いので、やり方を切り替えたのである。

これで来年度の国際会議の歩留まりがどうなるかなのだが、メジャー国際会議(来年のNAACLは無理そうなので、ACL、COLING、EMNLP)に3本をコンスタントに通せるようになりたい。