サービスを立てて失敗してもいい

朝、出勤して学会関係のお仕事で Skype ミーティング。17時以降は基本的に無理なので、申し訳ない……。

午前中は留学生の見学。日本語も流暢で、昔はプログラミングコンテストに出ていたとか、やる気があってよいのだが、学費や生活費は自分で出しているのでアルバイトをしないといけない、という話がちょっと気になる。もちろん親に頼らないのは偉いのだが、いくら公立大といえど東京だし、月10万円は稼がないといけないので、時給1,000円のアルバイトで月100時間(週3日)取られるとすると、ちょっとうちの研究室では無理っぽい。それより時給の高いアルバイトを紹介することも可能だが、最初の半年は勉強期間ということで、大学院から来る修士の学生にはアルバイトを遠慮してもらっているし……。一度帰国してもらえれば、応募できる奨学金もあるのだが、それもできなさそうだしなぁー。

午後は読解支援勉強会。こちらも国際会議に投稿できそうな学生もいるので、その方向で動いてもらう。研究の進捗があった、という意味では学部4年生の4人とも全員がんばってくれてそれなりの進捗があるのだが、内容的に投稿できそうかどうか、という意味で、2人が投稿できそう、というわけである。昨年度も B4 の4人中2人が投稿したし(自分的には3人投稿可能だと思ったが)、1年間研究したら2人に1人は国際会議に投稿できるかな?研究室に2-3年間いると、期待値的には1-1.5本が投稿可能なので、これなら無理なく全員投稿できそう。あとは英語力的に、最低ラインとして TOEIC 700点あればよいのだが……。(700点は日本語から英語にしなくて書ける最低ラインで、600点が日本語から英語にして書ける最低ラインで、600点未満だと、日本語から英語にしても添削不能な英語であることがしばしばある)

休み時間に高間研の大学院生が訪ねてくる。学部時代に起業して某社に売り払い、現在はさらに起業した2社目にいて、仕事が忙しいので退学するのでご挨拶を、というユニークな経歴で、なかなか本学では見かけないタイプ。

高間研を選んだのは、研究室での負荷が少なそうだから、ということで、学部は出られたのに大学院は退学するのは、大学院の授業の単位が取り切れないから、という話で、至極納得……。

どういう授業があるといいかアドバイスをお願いしたら、アプリやウェブサービスの作り方を教えてほしい、という話。言わんとすることは分かるが、それは情報工学を標榜する大学で教えるべきことか、というと違う気もする。アプリやウェブサービスを作らせる、という授業はあってよいと思うが、特に作り方を教えることはせず、自分たちで調べて作る、失敗してもよい、というか失敗前提みたいな感じにするべきだろう(ただ、やり方を教えないということに対し、教員と学生の双方からいちゃもんがつく可能性が高い)。

可能な限り必修を少なく、単位も少なく、色んな授業が取れて、自由にやれたらいい、という至極真っ当な意見をもらうが、たぶんそれは本学の(というか、情報通信システムコースの)コンセプトとは相容れないので、そういう環境があってもよいとは思うが、それを提供するのはうちの大学ではない、という感じ……(その一つが慶應SFC だろう)。

夕方は機械翻訳グルーブの公開期末評価の発表練習。やはり機械翻訳は新入生がやるには重いタスクではないかという気がするのだが、やるなら4-5月から本格的にやらないと、9月の段階で先が見えるようにはなっていないのでは、と思ったりする(統計から機械学習から言語学まで、ありとあらゆる知識が必要になる)。来年は機械翻訳グループを希望する学生だけは早めに動いてもらおう。