すっきり書けない、難しい、微妙な問題を議論する

朝日で目が覚める。研究室に行き資料を印刷しようとするが、A3の印刷がなかなかうまくいかず難儀する。結局Excelから直接横向きに印刷することができなかったので、PDFに変換してから印刷。しかし部数指定がなぜかできない(指定しても1部しか出ない)ので、人数分繰り返したり。

そうこうしているうちに岡山大の竹内さん到着。今年度@shirayuくんが述語項構造のアノテーションの研究をしている関係で、一度NAISTにお越しいただいて情報交換しましょう、と約束していたのが、人工知能学会の全国大会を経て、ようやく実現。

久しぶりに修士で入学した直後の言い換え勉強会や意味談話解析勉強会の雰囲気を思い出す。言い換え勉強会で@akfさんと@inuikentaro先生と松本先生らが語彙概念構造(LCS)について議論するのを門前の小僧状態で聞いていたなぁ。奇しくも今日東北大学の乾研究室でも@Yucchiiroさんを呼んで語彙概念構造を用いた述語項構造のアノテーションについてトークされていたらしい。ちなみにM1のとき言い換え勉強会で半年読んだ教科書は「動詞意味論」

動詞意味論―言語と認知の接点 (日英語対照研究シリーズ (5))

動詞意味論―言語と認知の接点 (日英語対照研究シリーズ (5))

である。あのとき読んでいたメンバーは松本先生と自分しか残っていないので、もう一度読んでもいいかもしれない。

で、今回我々はひたすら事例を見ながら「これはLCSでは書けない、これは難しい、これは微妙」などと全員で2時間議論していただけであるが、思ったよりいろいろ違う部分も分かり、自分がどういう現象に興味があるのかも分かり、非常に参考になった。やっぱりときどきこうやって議論するのはとてもよい。

やはり難しいのはニ格だなぁ。数から言えばガ格なのだが。あと、やっぱり「この意味役割はこの動詞でしか使わない」というようなものがあると、PropBankのように動詞ごとにラベル集合を分けたくなるのだが、そこまで行かずできるだけ汎用的なラベルを設計したい、というのがいまの心境である。タスクが決まらないと粒度も制御しようがないだろうが、一文中に複数の事態が含まれているときの項の共有関係を記述したいということと、格交替を記述できるくらいのラベルセットがあればいいかなと思っている(それくらいが使い物になるレベルの技術かなと)。

動詞項構造シソーラスもとても有用なリソースだと思うので、日本語処理をしている人はもっと使ってくれるといいなと思っている。竹内さんたちは辞書的な知識を作っていってもらっているので、NAISTではコーパスを作成するところを地道にやっていきたい。

アメリカのポートランドでのホテルを確保。帰りのポートランドからシアトルの電車も予約。本当は行きもサンフランシスコからポートランドまで電車にしたかったのだが(電車のほうが旅行している気分になれるし)、時間と費用的な問題で断念し、LA経由で飛行機を使ってポートランドに行く予定。

yanyan-lさんからMacBook Airを直したいのでドライバーを貸してほしい、と言われて貸していたのだが、しばらくして「これは直せませんか」と聞かれるので見てみると、どうもディスプレイと本体をつなぐヒンジのところが浮き上がってしまっていて、どうしようもない。しばらくがんばってみたのだが、降参して検索してみると、リコール対象になっている有名な問題らしい(保証期間外でも無償修理)。そうだったのか……