最高学府はバカだらけ〜大学受験で泣き寝入りしないために

転職は1億円損をする就活のバカヤローを読んだので、

最高学府はバカだらけ―全入時代の大学「崖っぷち」事情 (光文社新書)

最高学府はバカだらけ―全入時代の大学「崖っぷち」事情 (光文社新書)

もついでに読んでみる。以前出たときはパラパラと見ておもしろそうではなく、

ニッポンの大学 (講談社現代新書)

ニッポンの大学 (講談社現代新書)

のように大学を「偏差値」以外の切り口で単に示しただけの総花的な内容か

大学崩壊! (宝島社新書)

大学崩壊! (宝島社新書)

のように大学に対する不平不満を述べただけの本かと思って敬遠していたのだが、ちゃんと読んでみたらそうではなく、日本の大学とそれを取り巻くさまざまな問題についていろんな角度から検討を加えた一冊。転職〜と就活〜を読んだ人は、同じトーンで大学についても切り込んでいると思っていただければよろしいかと。(就活〜のほうは共著なのでちょっと違うけど) タイトルは明らかに狙ってつけていると思うが……

この本でいいなと思うのは、著者が大学人でもなければ関係者でもないので、割と自由に内容を書けているところ。大学人の書いた大学論というのはなんか嘘くさいところが常にあって(言うことは一家言あって大層なことを言っているのだが、行動が伴っていないとか、逆に文句ばかり言ったり誰かを悪者にしたり言い訳したりするといったパターンばかり)、読んでもあまりおもしろくないのだが、同書ではちゃんとおかしいところはおかしいと指摘し、具体的にどうしたらよくなるかと提言しており、まっとうな構成になっている。大学が粉飾する手口も具体的に載っていて、ここまでしないといけない時代なのかぁ、と逆に心配になったりもする。

そういえば最高学府というと大学のことを指すのだが、なんかよく「最高学府=東大」だと間違って使っている人がいるので、ちょっと気になった(同書の使い方が正しい)。