計算で意味の変化を解き明かす

今日は年末ぶりの国内出張で、「現代語の意味の変化に対する計算的・統計力学的アプローチ」シンポジウム 参加のために東京駅まで。元々3年間国語研から共同研究の研究費をもらっていて、その間にシンポジウムを開くことになっていたのだが、コロナ禍で対面のシンポジウムを開くタイミングがなく、結局このタイミングで現地とオンラインのハイブリッド開催になったのである。

とりあえず現地は発表者がメインで、それ以外でも現地に来ていいよということであったが、現地は発表者以外は数名であった(リアルで初めてお会いする人も何人かいらして、それはそれでよかった)。むしろ驚くべきはオンラインの参加者数で、ほぼ200名近い登録があり(発表者をカウントすると200名を超える)、実際に160人くらいオンラインで参加していて、こんなフォーカスを絞った話なのに、これだけの参加者がいるというのにびっくりした。たまたまうちの研究室から3人の学生が発表していたのだが(自分はそれに加えてパネルディスカッション)、日本でこんなにこの話題の研究をしているグループはいないのでは、と休憩時間だったか終わったあとだったかに言われて、確かにそうかも、と思ったりする。

内容についてはそれぞれ上記のページからスライドが見られる(参加登録いただいた方は、録画も見られる)のでそちらに譲るが、現地参加とオンラインのハイブリッドは結構大変であることを4年間の NL 研(情報処理学会自然言語処理研究会)幹事で骨身に染みているので、音や画像がちゃんと配信されているかをヘッドセットや画面で確認したり(そのために会場の回線以外を使う必要があり、ずっとテザリングしていたり)して、そこそこ大変であった。とはいえ口頭発表は発表は一度正しく設定すれば QA 以外はそこまででもないのでまだマシで、一番大変だったのはパネルディスカッション。パネリストに現地参加者とオンライン参加者がいて(しかも自分は現地参加のパネリストで)、さらに QA を現地およびオンラインの両方で受け付けていたので、スピーカーの配置だとか音量の調節だとかで気の休まる暇がなかった。 NL 研のときは配信用のアルバイトを毎回1人つけてもらっていたの、完全に忘れていた。

帰り道、総研大の日本語言語科学コースが国語研で始まるという話をお聞きしたり、農工大のテニュアトラックの話をお聞きしたり。都立大でも自分が博士後期課程の学生を取れるようになるの、本当は着任してから3年目スタートだったのだが、審査を早めてもらって2年目から取れるようにしてもらったのを思い出す。これまで4人の博士後期課程の学生を送り出してきたが、都立大であと何人送り出すことができるかなあ、などと考えたりする。