応用を見据えた基礎に挑みたい

本日は以前から予定していた通り、出勤。

午前中は対面の進捗報告。明後日から授業が始まり、研究会や論文紹介等も定例で入るようになるので、イレギュラーにやるのはこれでおしまい。4-9月は対面とオンラインは本人の希望で別れてもらったので、研究テーマと無関係になっていたのだが、研究テーマが同じ人が複数のグループにいると相乗効果が得られないことが多いので、後期は研究テーマごとのグループ分けに編成し直す予定である(対面で話したい人は、オンラインのグループミーティングとは別に対面で話す時間を作る)。

お昼は現在 AI2 の keisuke-s さんの NLP コロキウム。ちょうどジョンズホプキンスでの博士号取得直前に都立大(当時は首都大)でもトークをお願いしたのであるが、博士号取得後も地道な研究をコツコツとされていて、素晴らしいなと思ったりする(トーク部分のどういう過程でこういうデータになったかという話もさることながら、裏話も含めて QA が一番おもしろかった)。せっかく大学にいるので、この研究をやれと誰かから言われることもないし、少しずつでも前に進んでいけるような研究をしたいと思うのだが、 今の研究室のスタイルだと、いい面と悪い面と両方ある。

最近思っていることとして、自分は極めて応用的な研究(ほぼ開発)がやりたいわけでも、純粋に基礎的な研究(おもしろければ実用的でなくてもいい)がやりたいわけでもなく、応用的に意味があるような基礎研究、または理論的におもしろい応用研究がやりたいようである。片方に振った方が進めやすいのは分かるのだが、現実の問題が解けないとそもそも意味がない、というのが自分が大学院では哲学や理論言語学ではなく自然言語処理をやろう、と思った根本的な理由であり、その一方で目の前の問題をアドホックに解くばかりではつまらない(開発の現場より大学にいる理由の一つ)、とも思うので、両方を満たすというチャレンジに挑戦したいんだなと思った(ちなみに、どちらか一方に対する興味が強い人が多いように思っている)。

上記をやろうとすると、研究室の中の相対的な人数比として、スタッフや博士後期課程の人の割合を増やすといい(ある程度の経験年数がないと、両方に跨った研究ができない)ように思うのだが、学部生や修士の学生が筆頭で研究をするとして、基礎に興味がある人に応用にも興味を持ってもらうのは割と簡単なのに対し、応用に興味がある人に基礎にも興味を持ってもらうのは至難の業であり、そもそも基礎的なことに興味がある人に研究室に来てもらわないといけないのではないかと思ったりしている。