arXiv 投稿すると見てくれる

今日は出勤日。午前中は  EMNLP 2020 読み会。まだ予稿集は公開されていないのだが、camera ready の締め切りを過ぎ、かなりの数の原稿が arXiv で読めるので、もう既にスタートしている。今回は90分で3本紹介してもらうことにしたのだが、最近のうちの研究室での研究に関係するのは以下の論文。

  • Caglayan et al. Simultaneous Machine Translation with Visual Context. EMNLP 2020.

これは画像の情報を用いて同時翻訳をする、という話で、ちょうど @aijant さんが WMT 2020 に採択された以下の研究とも関連していて(もっと言うと、EAMT 2020 でうちの研究室の yuting さんが発表する研究とも主要な貢献が重複していて)、データと手法が同じなら、同時期に似たようなことをする人がいるものだ、という印象。

  • Aizhan Imankulova, Masahiro Kaneko, Tosho Hirasawa and Mamoru Komachi. Towards Multimodal Simultaneous Neural Machine Translation. The Fifth Conference in Machine Translation (WMT 2020).

実は彼らも我々の研究の arXiv 版の第一版を見てコンタクトしてくれて、それに基づいてバグを直したりすることができたので、大変感謝している(arXiv 版の第二版=WMT camera ready 版では、直している)。こうやって世界の一線の研究者と切磋琢磨してつながっていられる、というのはありがたいことだと思っている。国際会議で発表するより、arXiv に出した方がコンタクトをもらえる割合が高い気がするのだが、みんなそんなに arXiv に張り付いているのだろうか?

昼過ぎは椅子の搬入。今年度はほとんど学生が物理的には研究室に来ないので(今後もそうかもしれないが)、買う必要はなかったかもしれないのだが、昨年度は国際会議の参加費と旅費がかさんで Mac の入れ替えも椅子の買い替えもできなかったので、逆に今年度は国際会議の参加費と旅費(=大学または自宅出張扱いになるので0円)が激安なので、代わりに什器や Mac の更新に使うことにしているのである。

椅子は最初こそ前の研究室で使われていたものを利用していたし、1-2年目は椅子の購入に使える予算がほとんどなかったので安物を購入したのだが、3年目からは研究室の学生数が20人以上になり、椅子の購入に充てられる予算が安定して付くようになったので、大体毎年4-5脚ずつ1脚10万円弱のものを買うことにしていて、ようやくこれで研究室の椅子が全て10万円クラスのものに入れ替わったことになる。3万円くらいのものを購入して3年ごとに入れ替える(学生は常に新しい椅子が使える)、という方針もありうるのだが、捨てる手続きが面倒くさいし、1年くらいですぐキーキー言うようになってしまうので、椅子に1年あたり1万円払うなら、10万円くらいのものを10年使う方がいいかなという判断である。いずれにせよ、定常状態では毎年2脚くらいずつ入れ替えることになるとは思うし。

Mac については4年で償却することにしているのだが、2015年以前に購入したものが昨年度は予算不足で更新できなかったので、今年は2015年以前に購入したものを更新することにして、結局今年度は9台更新することになった。予算的には全体で150万円くらいだろうか。Mac については、以前は購入できるスペックのうち(少なくともメモリは)もっともよいものにして、長く使えるようにしていたのだが、この方針で5年運用して見たところ、メモリ以外のところがヘタる(一番多いのはバッテリーで、次は画面、その次はコネクタ)ことが多いので、最近はメモリとディスクをそれぞれ松竹梅の「竹」くらいにして、4年で入れ替える方針に転換している。GPU も今年は合計で350万くらい買うので、今年は計算機関係に500万使う計算だが、昨年度の旅費と合計で考えるとトントンくらいかな。

午後は NLP 応用グループのミーティング。最初の30分に椅子の搬入作業があったせいもあるが、色々議論することがあって、3時間半。来年の国際会議も割と戦えそうな気がするので、ちょっとここでしっかり方向性を決めておきたい。