インタビュー受けて感じる時間の差

午前中はオンラインでインタビューを受ける。首都大に来た直後くらいにもインタビューを受けて記事にしていただいたことがある(その頃は、深層学習がこんなに自然言語処理で使われるようになるとは思っていなかったので、結果的に間違った予測をお話ししてしまったわけだ)が、それ以外にもいつもしっかり技術的なことを調べて的確な記事にしていただいている方なので、こちらも色々お話する。自分も大学に入ったころはそんな感じで技術的なことについて調査して記事にしたり本を書いたりするような仕事をしたい(そして最終的には編集的なことをしたい)と思っていたので、協力できることは協力したいと思っている。将来の予測については、上記のように間違った予測をしてしまうこともあるのだが、技術というものはそういうものなので仕方がない。100%予測を外さない、という人がいたら、多分その人はそもそも予測をしていない人か、あるいは外しても外していないことに言いくるめる人か、あるいは自分で世の中を動かしている(=予測通りになるように世の中を書き換える)人だと思う。

世の中には変なことを書く人もいて、それが記者ならまだマシだと思うのだが、大学に所属する人もおかしなことを言ったり書いたりする人はいるし、そういう人に限って一般では大人気だったりする。言ってほしいことを断言的に言ってくれるから人気になるのだろうし、今の時代は全員に好かれる必要はなく、特定のグループに好意的な人がいるほうが生存戦略的には正しいので、批判的な意見には耳を貸さない(気にならない)人は、最適戦略を取っているのだろうと思っている(大学に所属しているからといって、狭い意味での研究者であるとは限らず、広い意味での研究者でもいいし、そもそも研究者である必要もないポジションかもしれないし)。自分はまだ自然言語処理の研究者でいたいので、ちゃんと知識は毎日アップデートしないとついていけないし、論文も(ほぼ全て、学生が筆頭著者になっている共著であるが)書き続けていきたいし、査読や学会運営なども含めて研究者コミュニティの維持にも寄与していきたい(他の分野と比較して自然言語処理分野だけを盛り上げたい、みたいなことは特に考えていないが、自然言語処理分野だけが割を食ったり、目の敵にされたりする、みたいな状況にはならないようにしたい)。

今日が NL 研(情報処理学会自然言語処理研究会)の原稿締め切りだったので、3件の原稿のコメントを合計3時間ほど。結局1件は実験結果の一つがどうもおかしい(ずっと試行錯誤しているが、原因が分からない)ということで、原稿締め切り当日に取り下げることになった。他のタスクでは全部想定通りだし、このデータだけ他と大きさもラベルのつき方も違うので、データの問題であるような気がするのだが……。

それとは別に国際会議の原稿も2件コメントを返す(合わせて1.5時間)。在宅勤務だと移動時間がないので、ゆっくり時間が取れるのはありがたい。合間合間に家事をするのも、時間はちょこちょこ取られるが、気分転換になるし。一時期縦長のディスプレイを使っていたことがあり、今も縦長のディスプレイで原稿を見ているが、コメントを入れるのはやはり縦長が圧倒的に楽。首都大に来てからはマルチディスプレイをやめていた(ディスプレイは1つの方が、仕事に集中できる)のだが、やっぱり縦長のセカンドディスプレイを使うようにしようかな。