大学の未来について考える

学部入試業務の2日目。昨日よりは時間が短いが、それでも朝から夕方までやるのは変わらず。 そういえば、今日ではないが、東大総長の五神真「大学の未来地図」という本を読んだ。

大学の未来地図 (ちくま新書)

大学の未来地図 (ちくま新書)

(実験)物理出身なので、理想論的なところがあるかと思いきや、かなり現実派の考え方で、自分も大いに共感した。武蔵出身だと記憶していたのだが、公立の中学校出身という話がコラムに書かれていて、「あれ?」と思ったら、高校だけ武蔵だったようだ。武蔵出身の学長の人は時々見かけるが、確かにこういう何十年も先を考えて布石を打ったりする仕事には向いている(目先の利益とか自分の利益のことはあまり考えない人が多いと思うので)。

個々の話は賛否両論あるだろうが、個人的には時々挟まれるコラムで大学運営や研究室運営について書かれているのが大変参考になった。今の時代に大学が何をすべきか、ということについて考える叩き台として、よい本だと思う。自分も今の環境にずっといたらそのうちこういう仕事が回ってくるのだろうし(すでに国際副専攻委員だとか、教育の英語化だとか、色々な仕事を振られてきているけど、新しいことを始めるのは割と楽しい)。

今年あたりから大学進学者数が減少に転じ、2040年には大学生がいまの2割減になっているという推計があるが、大学(の教職員)の数が学生数に比例して決まっているとすると、学生数が減ると全体としてはこれから教職員を減らしていく流れになるわけで、何をしていけばいいか?ということを最近考えているのである(一つは学生数を増やす方向、もう一つは仕事を減らしたり効率を上げて教職員が減っても仕事が回るようにする方向)。