発表を急ぐあまりの無理しない

午前中、出版社の方々の訪問あり。いくつかの出版社の方々はときどきお越しいただいて、どういう本がどういう人たちに流行っているか、みたいなのを情報交換させてもらっている。最近は技術書が売れないという話だが、確かにブログ記事や勉強会スライドでも質の高いものはたくさんあるので、時間のある人や要領のいい人はそういうのを拾い読みして学べるし、本の相対的な価値はどんどん減っていくだろうなぁ。とはいえ、統一感のあるひとかたまりの内容を読める本も便利で、時間のない人や何を読めばいいか分からない人には向いているという気もする。

お昼から研究会で、B4 は原則全員 NLP 若手の会シンポジウム(YANS)で発表してもらおうかと思っているので、全員で進捗を共有する。一昨年から、B4 は全員にメンターをつけ、研究の基本アイデアはメンターが提供し、サーベイもメンターが済ませておき、B4 はメンターが指示した論文を読んで実装すればいい(B4 が主体的に手法を考える必要はない)、というような形にしてもらっているのだが、今年はメンターが研究アイデアを出すところが難しいようで、YANS で B4 全員発表は厳しいかも、と思ったりする。

学部生ができるような研究ネタをどれくらい持っているか、というのは基本的にサーベイ量(情報収集力)に比例すると思うので、自然言語処理始めて何年も経つだとか、外部の各種勉強会やイベントに積極的に参加しているだとかいう人はいいのだが(そういう人が増えるよう、外部の勉強会の旅費は聴講でも積極的に支援している)、そうでない場合はどうすればいいのだろうか? 出かけなくても Twitter でも情報収集はできるのだが、情報は発信する人に集まってくるものなので、自分から発信しない人には(研究ネタになりそうなことをつぶやく人をフォローしていても)あまり有益な情報が得られないのかもしれない。

あと、そもそも自分でするのが好き・得意で、他人にやってもらうのは嫌い・苦手、という人もいるだろうから、そういうのは可能な限り考慮したい(人員的な問題から、どうしようもないこともあるけど)。一応 TA は全員に義務としてやってもらっているが、RA は全員がやらなくていいので、グループで研究することに適性のある人にやってもらえるといいかなと思っている。

今年に関しては自分の研究室運営ミスだと思うので申し訳ないが、ここからできる善後策を考えると、YANS で発表する人と、特に YANS で発表せず言語処理学会年次大会を目指してじっくりやる人に分けた方がいいのかもしれない。去年も大学院入試で筆記試験を受ける人と受けない人で分かれ、筆記試験を受ける人は(院試の勉強をするという名目で)YANS で発表しないことを認めたし、今年もそうするのがいいのかなぁ。(ただし、今年は発表しない B4 で参加したい人は旅費のみ補助し、宿泊費は支給しない予定)

去年の経験からは、研究のスタートを遅らせると全体的に数ヶ月後ろ倒しになるのでやめた方がいいと思うのだけど、大学院入試が終わったら10月を待たずにお盆前から研究をスタートすれば、言語処理学会に間に合うかな?