副業は100万円を超えないで

家族が全員風邪っぽいので、家で過ごす。

森博嗣の「作家の収支」を読む。

作家の収支 (幻冬舎新書)

作家の収支 (幻冬舎新書)

自分が大学教員としての収入を公開するのは(国公立大学の場合、そもそも俸給表が公開されているし、大元は税金なので)仕事の一部ではないか、と思って書いているのだが、彼も同じような趣旨で作家の収支を公開していて、参考になる。

多いとか少ないとかいう感想はなく、なるほどー、これで生計が立てられるのか、という印象。大学教員や公務員が、給料が高いだとかなんだとか言われるのは、自分が見聞きする範囲にいるから目につきやすいだけであって、作家に関しては近くにいないからそう思わないだけなのかな。作家だと単に作品を買わなければいいだけだが、大学教員や公務員だと税金からお金が投入されているので、言いたくなる、という事情もあるだろうが。

何がもっとも参考になったかというと、投稿料で稼ぐか印税で稼ぐか、という戦略がある、という話で、数万部以上売れるなら印税、そうでなければ投稿料(投稿料は作家によらず一定で、ページ数によって決まる)、というのはなるほどと思った。

森博嗣は副業で小説を書くことを始めたそうだが、自分ももし仮に副業で執筆業を始めるとすると、数万部売れるような本を書くのは難しい(専門書は数千部のオーダー)ので、執筆業が本業になることはないだろう。関係あることないこと書けるような精神性であれば執筆業のみで生きていけるかもしれないが、自分にはちょっと厳しい。

あと首都大は兼業 OK というか、むしろ兼業を奨励しているようだが、1件あたり年間100万円を超える場合は利益相反していないか(本業に影響を与えていないか)など委員会で審議されるようで、あまりたくさんできるわけでもない。