専門の違う人にも分かるよう

朝、iPhone を忘れたことに気がついたが、取りに戻る時間もないのでそのまま出勤。電車の中で PDF を開こうとしたが、Evernote が同期されていないので、手も足も出ず。

午前中、そういうわけで勉強会を休んで国際会議の原稿の添削。第4版であるが、明らかに収束に向かっている(パラグラフ単位で移動したりはするが、内容的には数カ所しか疑問の余地がない)ので、仮投稿してもらうように伝える。あと2往復くらいだろうか?

9月が半期の〆なので会計書類を全部出さないといけないのだが、出し忘れていた書類が1つあり、会計担当の方にご迷惑をおかけしてしまう。申し訳ない。しかしトナーも高いものである。

昼から論文紹介で、以下の論文を紹介してもらう。

  • Chang and Clark. Linguistic Steganography Using Automatically Generated Paraphrases. NAACL 2010.

暗号をテキストに埋め込む、という話で、へえ、そんな研究があるのか、と思う。

ポイントは、一方向にしか言い換えられないような辞書を用いて、言い換えられる文を言い換えていたら1、言い換えられていなければ0、というようにして文単位で最大1ビットの情報を埋め込む、という手法なのだが、この論文をよく読むと、言い換えたあとの文が文法的かどうかを評価する実験しかしておらず、「タイトルは釣り」というフレーズが頭をよぎる。

あと、情報を符号化する人と復号する人で、同じ言い換え辞書を用い、(情報を埋め込んだ文と辞書で決まる)ある自然数を1つ送る必要があるのだが、要は秘密鍵暗号方式で、鍵がバレることに対する頑健性が高くないように思われる。(辞書がバレなくても、この方式で暗号化していることがバレると、部分的に解読されてしまいそう)

午後は研究会で、今学期は B3 の人たちも参加してもらっているので、チュートリアルか論文紹介をしてくれている(勉強会で進捗報告をしているので、「研究会」「勉強会」の名前が反対かもしれない)。事前知識がない人向けに話す、という練習をうちの研究室ではあまりしてこなかったので、これでトレーニングできるとよいのだけど。(自分も D 学生になってから、機械学習のことを知らない人に、自分の研究について説明する機会がときどきあり、非常に鍛えられたと思う)

分かりにくく喋るのは簡単だが、分かりにくいことを分かりやすく喋るのは訓練が必要で、大学でトレーニングしないとなかなか機会がないのである(就職活動のとき、これができるかどうかで全然内定率が違う)。効果が分かるまで1年くらいかかると思うが、気長に見ていきたい。