秋深しメモリを奪い合う季節

午前中は言語学習支援勉強会。最近深層学習に興味があるので、何を見ても深層学習に見えてしまうのが悪い癖なのだが、表現学習と深層ニューラルネットワーク、そして意味の構成性、というのが深層学習で興味あるトピックのトップ3で、意味の構成性に関する研究をしている学生がまだいないので、誰かやらないかなぁ、と思って、強制はしないが、しつこく繰り返している(さながら松本先生のようである)。

まあ、よくあるパターンは、結局誰も手を出さず、来年かさ来年の国際会議で、やりたかったこととほぼ同じことを先にやっている研究を見つける、というパターンであるが……。どうも、自分は研究テーマを誘導するのがとても不得意なようである。まあ、そもそも自分自身が誘導されたくないと思っているので、仕方ない。結局のところ、誘導されていないと思っていても、周りの先輩や同期、後輩が研究しているテーマに影響されるので、自分のできることはというと、個々の研究のクオリティを上げるサポートをして、「ああいう研究、自分もしてみたいな」と思ってもらう、ということに尽きる。

昼休みを挟んで機械翻訳勉強会。研究室で Python 3 が流行りつつあるのだが、Chainer が Python 3 で使えない、という報告があったので、その場でインストール。機械翻訳勉強会も、半分深層学習になりつつあるので、この辺りの知見が溜まるとよいのだけど。しかし研究室内でのリソース(メモリ)の奪い合いが深刻化しており、128GB のメモリのあるサーパでは全然足りていない。9月にようやくサーバ室が利用可能になったので、128GB のメモリの載っているサーバ(騒音のため電源を入れていない)を早く稼動させたい。あと、メモリ512GBのサーバも早く買いたいのだが、こちらは5社の相見積もりを取らないといけないようで、まず仕様書を書かないと……。メモリ1TBくらいのサーバを買おうとすると、いくらになるのだろうか?(3年前でもメモリ512GBのマシンが300万円切っていたし、GPU 載せなければ300-400万円だと思うけど)

午後は大学院のプロジェクト演習。深層学習を使ってマルチモーダル学習をする、というお題を出しているのだが、何をするかは学生で決めてもらう、ということにしていて、みんなでブレインストーミング。いろいろ議論してもらうと、やはりテキストと画像か? というところに落ち着くのだが、具体的にどうするかは決まらず。研究ではないのでそんなきっちりやる必要はないし、ブレインストーミングなのに評論家タイプの人がいるとあまりうまく進まないのだが、何をするか議論するのも経験なので、あまり口を出さずに自分たちで話し合ってもらう。(オブザーバーとして見ていると、割とおもしろい。)

夕方は南大沢に移動して国際副専攻委員会に出席。最近は17時までに終わってくれるので、全部出席することができる。システムデザイン学部でも国際副専攻を導入してほしい、という声が複数高校生からあるようだが、残念ながら高校生から要望があるのは情報通信コースではないようで、なんとも言えない。システムデザイン学部は、留学を必須にすると年次進行的に留年が必須になってしまうので、まだどのコースも導入していないのだが、これをまず何とかしないことには。あと、留学したいという高校生は8割方いわゆる文系のようで、そこもミスマッチ。まあ、いわゆる理系では留学するのに適切な時期は大学院なので(PhD コースなら学費もかからないし)、高校生の方が冷静に世の中を見ている、ということなのかもしれないが。

自分の子どもが海外に行きたいと言い出したら、高校生のときに数ヶ月〜1年くらい留学させると思うが、いわゆる理系に進学したいなら、学部は日本の大学に進学してもらうかなぁ(大学院に進学するときに、海外に行く)。いわゆる文系なら、学部から海外もありだと思うけど……(それでも ICU でいいのでは、という気もしている。いま住んでいるところから、自転車で行けるし)。