2年間無事に過ごせてバトンパス

朝6時から NL 研の原稿の添削。といっても本日〆切なので、最後の確認である。

今日から学生は NLP(自然言語処理)若手の会シンポジウム、通称 YANS に参加。自分はというと、ここのところずっとプログラム委員および委員長として参加していたが、去年で一区切りして引退したので、今回は参加せず。東京で開催されたら聴きに行くかもしれないが、合宿形式では当分参加できないだろう。

今回、発表なしで聴講のみの参加でも旅費を支援するという方針にしたのだが、希望者はおらず、結局うちの研究室からの参加は1/3ほど。去年は全員参加したことを考えるとだいぶ少なくなったが、シンポジウム自体の参加者が100人を超えたそうで、むしろこれくらいでよかったのかもしれない。来年は大阪開催らしいが、研究室から1/2くらいは参加してもいいような?

午前中は首都大秋葉原キャンパスでミーティング。大学の話や企業の話、自然言語処理そのものの話、いろいろお話できて満足。いま30代の自然言語処理研究者って、どれくらいいるんだろうか。40歳前後の人は多いが、20代後半から30代前半の人が少ない気がする(自分はもう37歳)。企業に就職した人が多く、言語処理学会には来るが、論文は書かない、ということなのかもしれず、それならそれでよいのだけど、日本にも研究的にもう少し元気(=トップカンファレンスに毎年通す)な人が増えるといいな。(これ、ブーメランで自分に戻ってくるのだけど)

午後は東京駅に移動して別のミーティング。こちら、自分が分担するべきところが遅れており、ご迷惑をおかけしていて、平謝り。依存関係があるということをよく把握していなかったので、こちらの作業の遅れが先方に波及していたのである。自分自身も身の回りも含め、予定通り行かないプロジェクトもときどきあり、リモートで仕事をする、というのは難しいものだと思う。進捗の定期的な可視化と共有ができるといいのだろうか?

結局のところ、仕事時間を確保する、ということに尽きるのだが、娘の保育園の送り迎えをするようになってから、時間を捻出するのがかなり難しい。保育園の送り迎えをする前は、1日の睡眠時間が4時間くらいでも大丈夫だったのだが、送り迎えをするようになってから、7時間は寝ないと厳しくなった。これ、睡眠時間が6時間でも OK ならもう少し仕事ができそうなものだが、娘の世話は予想以上に体力を使うので、体力が持ちそうにない……(結局まだ夜12時くらいと朝4時くらいに起こされるのだが、このサイクルがたぶん自分と合っていないので、厳しい。3時間サイクルだとよいのだが)。

夕方は言語処理学会編集委員会。任期2年なので、これでお役御免である。1年目はまだ時間もあったのでいろいろ意見を言ったりできていたのだが、2年目(特に娘が生まれてから)はコメントできそうな案件があっても「ここでちゃんと意見を言おうと思うと1時間くらいはかかるので、ちょっと厳しい」と思ってスルーしてしまうことばかりだったので、大いに反省しなければならないが、なんとかお勤めを終えることができてほっとしている。今後は一査読者として言語処理の発展に寄与したい(言語処理学会の論文誌は1年で最大1本しか査読が回ってこないので、安心して引き受けられる)。

懇親会では、もう今年は会えないかと思っていた [twitter:@kevinduh] さんにお会いできた。7月に北京で会えるかな? と思ったら別件で日本にもいなかったようで、10月からはジョンズホプキンス大学に異動されるそうなのだが、毎年 NAIST で開催される SVM 勉強会 にも今年は自分は参加できなさそうで、残念に思っていたのだった。

首都大に来てから痛感したのだが、NAIST は本当に世界的な研究をしている研究者の人がたくさんいる環境で、すぐ目の前に(当時はこんなにブレイクするとは思っていなかった)深層学習の専門家がいたりしたのに、一緒に研究したりする機会を逃してしまって、もったいなかったな、と思う(自分で新しい研究テーマを開拓する経験を積めたし、後悔はしていないが)。あれほどの教員・研究員・博士後期課程の学生を擁する組織は日本には他にないし、その中にいる人はぜひ最大限に利用してもらいたい。

これからは自分も学生と一緒にトップカンファレンスに通し、世界各地で近況報告できればいいなと思っている(お互いトップカンファレンスに通し続けることで、同窓会ができるというわけである)。