論文は誤読されないように書く

原稿〆切 x 3 の日なので、午前5時から添削。まだ最終チェックではない。月曜日の授業、ようやく昨年度に資料を作成した後半部分に到達したので、準備する時間が大幅に削減できるのは嬉しい。来年度、授業が増えないといいけど……。(いままでのところ、毎年0.5コマ=7回分ずつ増えている)

午前中、メールの読み書きをしていたら、部屋にノックがあり、10分後に会議室に来られますか、と連絡を受ける。大学に入るとほとんどの用事はメールで調整されるし、数ヶ月前から日程調整することすらあるので、びっくり。学生と原稿について直接話す予定だったが、いろいろリスケジュールし、30分ほどお話を聞いて、10分ほど質問や意見を言って終了。たまたま研究室に行く前だからよかったけど、研究室に行っていたら内線が来たのだろうか。

お昼休みに機械翻訳のワークショップのミーティング。今日は戦略会議で、どういうことをやるか、という方針を決める予定だったのだが、学生が1人来ない。始められる議題から始めたが、結局時間いっぱいまで待っても来なかった。みんな忙しいからわざわざ昼休みに時間を取っているんだけどなー。まあ、全員が揃いにくくしているのは17時に大学を出ないといけない自分のせいなので、あまり強く言えるものではないが……。

午後の勉強会は原稿の添削のために欠席。一応形になったので、3人とも仮投稿をしてもらう。〆切当日に仮投稿、というギリギリのスケジュールだったが、なんとかなってよかった。1週間前に仮投稿できるくらいが、余裕があってよいのだけど……。

授業を挟んで日野に帰ってきて最終チェック。だいたい自分がコメントするべきことはコメントしたので、あとは学生に任せる。最終稿は第9稿である。

結局、トピックセンテンスを意識して書くとか、先行研究との共通点・相違点を明らかに書くとか、対応関係を誰が読んでも分かるように書くといった、アカデミックライティングで必要な基礎が抜けているので、それを一つ一つ指摘して直してもらう、というのが添削にかかる大部分の時間を占めている(もちろん、こういう実験が抜けているからやる必要がある、というようなコメントもあるが)。

読者が筆者と同等もしくはそれ以上の知識を持っていて、筆者の都合のよいように解釈してくれる、というような楽観的な読者モデルでみんな文章を書くのだが、査読者を含む読者はそんな都合よくはない。誰が読んでも、つまり誤読しようと手ぐすね引いている人が読んでも誤読できないように書く(相手の立場に立って考える)、というのは訓練によって身に付ける技術だと思うので、ぜひ大学院にいる間に習得してもらいたい。