10年使われるコミュニケーションツールはない

朝5時から科研費の申請書を書く。今日が学内〆切なので、最後の追い込みである。研究のプログラムや研究費の申請書、原稿などはここ10年以上 Subversion で管理している(NAISTに入ったとき RCS から Subversion に切り替えたので正確には9年)のだが、最後コミットするのを忘れ、出勤したら1時間ほど手戻りがあった。もはや全部 Dropbox 上でやるのが最適な気もする(有料会員なので、1TBまでOKだし、履歴も辿れる)。

印刷して最後確認したら文字化けがあったのだが、時間もないのでそのままチェックに出す。フォントを埋め込んでいなかったようだが、強制的に埋め込む設定に以前していたのが失われているようだ。(去年は「画像として印刷」で場当たり的な対処をした気もするが……)

昼過ぎは SLP(自然言語処理の教科書)の輪読である。週に3回あるとしょっちゅう読んでいる気もするが、これくらいの頻度だと前回の内容を覚えているので理解が速い。forward アルゴリズムを終えて Viterbi アルゴリズムアルゴリズムを学んでプログラムを書いて、もう一度時間が経ってからアルゴリズムを勉強すると、そういうことだったのか、と思うことがあるんじゃないかと思う。自分も Viterbi アルゴリズムを把握したの、D1 のときだったし……(M1のときに動的計画法については散々授業や勉強会で出てきていたが、そのときは実装しなかったので忘れていた)。

勉強会の後の時間で後期の SLP の分担を決める。最早今年度で全部終わらせることは不可能なので、来年度に持ち越す前提で優先順位をつける。来年度は前期に週2回新入生向けの輪読会をして、週1回は今年度の残りをやる輪読会と並行して両方やる予定……。

午後は研究会にて進捗報告である。サーベイをした人も、サーベイ内容について詳しく報告してくれるので勉強になる。やっぱり自分の知らないことを他の人から教えてもらえるのが研究室のいいところであり、教員こそが学生に教えてもらうのが(逆ではない)理想だし、学生同士で教え合うのが学ぶためにはもっとも効率がよいと思う(しかし今日は研究会が長引いて、自主的な Django 勉強会の時間を圧迫してしまったようだが……)。

研究会のあと、研究室メンバー全員で GitHub を試す。Education で申請していたのだが1週間音沙汰がなく、メールしたら30秒で承認され、びっくりしたが、無料でたくさんプライベートリポジトリが作れるようになったので、よかった。処理が止まっているのは「プライベートリポジトリ100個ください」と書いたせいかなと思っていたが、そういう問題ではなかったらしい。

自分自身、分散型バージョン管理システムは Git ではなく Mercurial (Bitbucket)を使っていたし、自分自身のソースコード等は Subversion で管理しているので、Git が使われる理由があまり分かっていなかったが、恥ずかしながらちゃんと GitHub を使ってみると(学生のころ作った休眠アカウントを復活させた)、確かによくできているなということが分かり、納得。結局 Git がいいというよりは、GitHub がいい、ということかなと……。

最近うちの学部でもアートの学生が1年生から GitHub を使う、というのを聞いて、情報通信で使ってない学生が大多数なのに、なんでこんなに違うの?と思ったのだが、コミュニケーションツールとしての GitHub が使われているのかな、と(見当外れかもしれないが)。

研究室内の細々とした文書を Google Docs で共有していたが、Gist で共有してもいいのかも、と思ったりした。Markdown もあまり食指が動かないが、使う人が多いということはきっとなにかいいことがあるのだろう。昔 Wiki 記法だとか Ruby の RD だとか、簡易テキスト整形のできる記法でそれぞれ何年も書きためた文書があるのだが(たとえばこの日記)、今となってはどの記法も廃れてしまい(この日記を書いている「はてな記法」も、もう止めたいと思って幾星霜)、Markdown もきっと10年持つものではないと思っているのだが、10年使えることを意識せず、流行りものに挑戦する生き方もありかなと思う。松本研の Wiki はもう10年以上 Pukiwiki で運営されているので、きっと最後まで Pukiwiki だろうし、一度使い始めると20年間使われる可能性は研究室だと意識しないといけないと思うけど……。