仕事をしないという仕事

朝から市ヶ谷のJSTへ。データサイエンス・アドベンチャー杯の審査委員を頼まれて、今年度は新規のお願いは原則お断りする方針だったが、いろいろ考えた結果引き受けたのであった。というのも、このコンテストは研究支援につなげる開発をするというもので、英作文の誤り訂正やリンク解析をNLPに応用したりする研究をしてきた自分の興味あるテーマでもあり、今年は特に自然言語処理のチームに参加してほしいそうなので、これはやってみたいと思ったのである(物理的に拘束されるのは2日間だけ、というのを最初に教えてくださったので、引き受けやすかった)。

説明をお伺いすると、最初はもっとゆるい雰囲気のコンテストかと思っていたのだが、あにはからんや企業や国立の研究所も多数参加する割とガチな感じのコンテストで、これの審査員が自分でいいのか、ちょっと不安になったり。しかしその一方高校生でも参加できるので、むしろ高校生の発表はアイデアがおもしろい。自分のお気に入りは埼玉県立熊谷女子高校のチーム(大塚茜里・徳田衣莉・袋井祐佳・山本絢子)の「大学のそこんところ〜おカネと人と論文と〜」という発表。データサイエンティストを発掘・養成するのがこのコンテストの趣旨らしいが、こういう分析はおもしろい。ちなみにこの分析の中に首都大は入っていない(汗)

首都大の学生も、自分は選考に関わらないので公正な審査ができるし、積極的に参加してもらえればと思う。

夜は神保町経由で国立情報学研究所(NII)へ。言語処理学会編集委員会があったのである。新旧合同の委員会だったのだが、あまり集まった人が多くないそうで、小ぢんまりと懇親会をされていたが、編集委員としてのお仕事についてお話を聞いたりできて、目的達成。

自分の大学や学会における役割は、無駄な仕事を廃止し意味のある仕事に挑戦する、という役回りだと思うので、やらなくてもよいと思われる仕事は積極的に廃止していきたいと思う。(というと、松本先生が副専攻長のとき、全く仕事をせず、仕事をしなくても回るということはこの役職は不要でしょう、と言って副専攻長職を廃止に追い込んだ、という話を思い出す)