見えないものを作る難しさ

最近寒いので、朝に起きると身体がだるい。寝るときは長袖を着て布団を2枚被っているのだが、もう少し暖かくしたほうがいいのだろうか。寒いので、9月に入ってからは起きるのが4-5時になっているのだが、2-3時に起きられたのは夏だったからだなぁと思ったり。

午前中は研究室で今後の研究の相談に乗ったり。研究テーマが決まらないと焦る気持ちも分かるのだが、コーディング能力がある人はテーマさえ適切に決まればすぐ進むので、そんなに気にしなくてもいいんじゃないかなと思ったり。逆に言うと、コーディング能力次第では、だいぶ前に決まっていないと厳しいし、テーマによってはかなり時間がかかるので、そのあたりの加減が難しく、初めての人だと見当が分からないのだろうけど……。

あと、研究テーマによっては、その研究に取り組みたいのはすばらしいし、博士後期課程に進学するならやってもらってよいけど、修士で就職するなら他のテーマにしたほうがよい、とは言うかもしれない。論文には適切なサイズというものがあって、卒論・修論それぞれ壮大すぎるテーマに取り組んでも成果が出ず、卒業の危機になることがありうるので、今となっては止めてくださった先生方に感謝している。ただ、自分自身、学部生のときそのように言われた研究テーマがあり、そのときは「なにくそ」と思ったものなので、言われたときは「なんで好きなことできないの?」と思うだろうし、なんともいえない。(変更して卒業論文に書いたテーマは、大学院に進学してから卒論の指導教員の岡本先生に推薦いただき、最終的には論文誌に掲載してもらったので、論文としては適切なサイズに落とし込めた、ということであろう)

昼から午後にかけて断続的に事務処理。2時間くらい?学期の始まる前なので、いろいろやらないといけないのだが、全然収束する気配がない……。

お昼は実験運営委員会。学部2年生の実験の準備状況、学部3年生の実験の準備状況を確認したりする。来年度は新規に学部3年生の実験テーマを提案したいのだが(去年からずっと、一つ提案してほしい、と言われている)、12月には新年度のシラバスを出さないといけなくて、そのためには11月のコース会議で承認されないといけなくて、そのためには(一発で通らなかったときのことを考えると)10月のコース会議で出しておかないといけなくて、というような依存関係があり、急遽準備することになる。

いま3年生の実験は全部で5テーマで、通信系が3テーマ、情報系が2テーマなのだが、バランスを考えると情報系がもう1テーマあったほうがいいと思うので、来年度からスタートできるといいな。いまの2年生あたりから、少しずつカリキュラムが変わり、いい感じになってきていると思う。根本的に組み替えるのは、ちょっと大変なので、できる範囲でパッチを当てるような対処だが、それでも毎年改善していけばだんだんよくなるだろうし。

そういえば、昨日の出来事であるが、教育改革委員会にも出席する。学部1-2年生を対象にした、ものづくり体験で失敗してもよい(というか積極的に失敗させる)ような演習を作る、というコンセプト。インダストリアルアートコースでは、今年度1週間の集中演習で3Dプリンタを使ってなにか作るというワークショップを開催したそうで(お題は3Dプリンタで「洗濯バサミを再定義する」だったそうだ)、報告を聞くと大変おもしろそう。

しかし、趣旨には大いに賛同するのだが、システムデザイン学部には

  • 航空宇宙
  • インダストリアルアート
  • 経営
  • 知能機械(来年度からこの名前に変更)
  • 情報通信

の5つのコースがあり、それぞれのコースが考える「ものづくり」および「失敗」の概念が異なるようで、なんだか総論賛成各論反対みたいにならないかと、ちょっと心配である。

アプリやウェブサービスを作ったりするインダストリアルアートコースが情報通信システムデザインコース的には近いかなと思うのだが、プログラミングとかアルゴリズムとかソフトウェア開発とかはスキップして、何かを作ることに特化しているようで、ちょっと違うようにも思う(もちろん、まず制作体験をさせてみて、必要な要素技術に気づかせてから学ばせるほうが効果的だから、わざとそうしている、という面もあるだろうが)。経営のコースも、割と情報科学的な研究をしている研究室もあるので近いかなと思うのだが、話を伺うと別にプログラミングをする仕事に就きたいと思っている学生は少数派で、コンサルタントやいわゆる「上流」工程に関わりたいと思っている(大学院に行くより、学部で就職したいと思っている)ようで、それも違うかなと……。

ゲームやアプリを作らせるというよりは、isucon のようにサーバのパフォーマンスをチューニングするとか、ICPC のようなプログラミングコンテストのほうがまだ情報通信的な感じがするのだが、全然「ものづくり」でないのも事実であるし、ハードウェアがあったほうがいいのかなぁ。Raspberry Pi でサーバを立てて何かするとか、そういうのだろうか?

夕方は早めに帰宅して娘と過ごす。夫婦で子育てをしているので、お互い支え合っていきたいと思う。