適度なストレスは健康のためにも必要

お盆だが、教授会があるので出勤。

朝はミーティング。明日から2週間ほど帰国予定の留学生と、今日にやることと、そして帰国から戻ってきてやることの確認。あと、Google 英語 N-gram言語モデルの構築を SRILM を使ってやっているのだが、4グラムの構築にメモリを90GBほど使って1週間以上かかっている(3グラムまでは構築できた)そうで、これくらいかかるものかどうか心許ないのだが、一度作ればずっと使えるものだし、気長に待つことにする。

午前中は学内の委員会。議題は1つしかないので、すぐ終わる。しかしながら、委員会の最中〜終了後から、頭痛と吐き気が突然出てくる。お昼ご飯を食べても吐くかも、とビクビクしながらお昼を食べ、午後の教授会にはマスクをして出席したが、どうもあまり収まる気配がないので、オープンキャンパスの資料作成もそこそこに、帰ることに……。

帰宅途中もしんどかったが、帰宅してからがピークで、横になって寝ていても脂汗が出るし、娘は夕方のちょうどむずがるときで何をしてもギャン泣きしているし、最悪のコンディションの中泣き止ませようと(自分は横になっているのもしんどいのに)娘を抱きかかえてゆらゆらしたりしていると、限界が来てトイレに駆け込んで吐く。妻から、感染症だと困るので病院を受診してほしい、もし感染症だったら今日は実家で過ごしてはどうか、と依頼され、救急・時間外診療をしているところを探して順番に電話し、受け入れてくれるところが見つかったので、タクシーで向かう。

この病院、実家にいたころは大きな病気をするとここに来ていたのだが、最近は先生が入れ替わったのかなんなのか、落ち目のようで、中も閑散としている。前回来たのは10年以上前なので、新しく診察券を作ってもらい、時間外診察へ。

どこかにぶつけたりしましたか?と確認されたが、心当たりはなく、とりあえず脳のCTを取りましょう、と言われ、びっくりする。確かに衝撃があったら脳挫傷の可能性もあるし、なにより年齢的にクモ膜下出血を見過ごしたりするリスクを考えると、万が一を考えてチェックしてもらってもいいと思う(3月に人間ドックで脳のMRIも撮影したが)。

CTのあと診察で、脳に問題はありません、とのこと。あと、MRIのときも言われたが、脳の左側に生まれつき水が溜まっているようで、異常ではありませんし、関係も不明ですが、調子が悪かったりストレスが続いたりすると偏頭痛になったりするのかもしれません、と。娘が予防接種を受けた直後だったので、便の処理をしたりするときに何かに感染したのではないでしょうか、と質問すると、その可能性はほとんどないでしょう、と言われる。今日は娘と別に寝た方がいいでしょうか?と重ねて聞くと、軽く鼻で笑われ、感染の心配はないのでその必要もありません、と返される。あ、そう……。出してもらった薬も、痛み止めと偏頭痛の薬だった(後者は、血管を収縮させて血流を悪くする薬)。

確かにNAIST助教をするようになってから、土日に頭が痛くなることがあり、平日に仕事でものすごいストレスの中緊張していて、土日は緊張が解けて血流がよくなるので頭痛が出る、という話を読んだが、それと同じなのかも。

このところ大学院入試関係と研究室の夏休み前のイベントと目白押しだったし、ここ数日はがっくり来ることが多かったからな〜。特に、研究室のメンバーの4人が一気に8月中インターンシップに行くことになり、残ったメンバーで研究ができるかと思ったら、結局10人中7人がインターンシップで不在になり、帰省中・帰省予定が2人いるので、せっかくの夏休みなのにほとんど誰も研究にならない……。アメリカの大学院では、夏の間はみんなインターンシップに行くので研究室は閑散とする、と聞いていたが、それと同じになるとは。

Liang Huang の研究グループのサイトにもあるように、少なくとも研究志向の学生には、基本的にエンジニアリングのインターンシップには行かない(まずは大学で研究をして論文を書いたほうがよい)ように伝えたほうがいいかな……。まあ、研究職志望の学生はほとんどおらず、ソフトウェア開発系の仕事を希望する人がほとんどなので、無理に研究所にインターンシップに行くより、行きたい企業に行くとよいと思うのだが、せっかく研究がガッツリできる期間なのに、もったいない(と思うのは、自分がソフトウェア開発者ではなく、研究者だからだろうけど)。

結局、研究が楽しいって思えるところまで導いてあげられない力不足を痛感する日々である。40歳まで(3年以内)に、学生が第一著者で ACL/NAACL/EMNLP (いずれも自然言語処理の最難関国際会議)あたりに論文を通すのが中期的な目標である。学生たちの能力的にはできると思うので、誰か一人でも通せば、続くと思うのだ。どんな論文を読むべきで、どんな論文は読まないべきかという記事も大変参考になる。自分たちも、読まれる論文を書いていきたいものである。