研究は守りではなく攻めの姿勢で

午前4時から情報理論の試験問題作成。昨年度の期末試験はあるのだが、本質的ではない計算(log の計算とか)が面倒だったところを簡単にしたり、スライドと参考書で用語や解き方が微妙に違って混乱するところを差し替えたりして、問題を半分ほど見直す。時間配分にいつも迷うのだが、90分試験時間があるとすると、自分(つまり解法が分かっていて一直線で解ける人)が40分程度で解けるように作るとちょうどよいようである。

午前中は試験を実施し(小テストも受けていたのに期末試験に来ない人が数人いたが、もったいない……)、今年度前期の試験はこれで完了。あとは採点をすれば終了である。50人分を採点すると、1人の答案(A4の裏表4ページ)に1〜2分かかり、入力まで含めると2〜3時間くらいかかるので、どこかで時間を確保しないとな〜。採点や答案の番号順のソート、成績の入力にも時間がかかるなんて、入力する立場にならないと想像だにしなかったが……。

メール処理の合間を縫って午後は自然言語処理の基礎(Speech and Language Processing)勉強会。言語モデルのスムージングに関するエトセトラである。第4章の N-gram の章だけで5回(1回2時間)の勉強会の時間を使っているのだが、この内容であればやはりこれは「確率的言語モデル」を読むのでいいような気がする(トリガーモデルやキャッシュモデルも、「確率的言語モデル」にも載っているし)。重複する部分をメモしておいて、飛ばす章を考えておこう。

結局のところ、最近は1回の試行の単位が数分や数十分、数時間、数日、数週間、数ヶ月といった単位ではなく、少なくとも1年経たないとそれがうまく行ったかどうかが(短期的にですら)分からない、という状況で、気の長い話である(しかも、長期的に成功だったかどうかはもっと長い期間見ないと分からない)。

博士後期課程から先の人生というものは、いかにそれまでの研究を捨てて新しい課題に挑戦するか、といったところなのだが、新しいフィールドに行くと思ったように成果が出ないかもしれないし、一つのことにじっくりと取り組めることこそ、企業でなく大学にいる利点でもあるし、どちらが大事だという正解はないのだが、失うものがないうちに、大小含めていろいろ試してみたい。