複数の分野を跨いでつなぐ

北海道に行ったことや、いつも平日に家事育児をしてもらっていることもあり、今日は妻にお昼吉祥寺に行ってきてもらう。結局10時から出かけて15時半には帰ってきて、もっと長くいてくれてもよかったのだけど……。吉祥寺へはバスが10〜15分に1本くらい出ているので、実はけっこう行きやすい。昔はこんなに多くなかったと思うのだが、増えたんだろうか?

[twitter:@tanichu] さんが最近上梓された「記号創発ロボティクス」をいただいたので、一気読み。

記号創発ロボティクス 知能のメカニズム入門 (講談社選書メチエ)

記号創発ロボティクス 知能のメカニズム入門 (講談社選書メチエ)

言語(記号)を理解する、という観点から人間の知能に迫る、という意欲的な本。扱われているトピックが豊富で、それぞれ工学的に突っ込んで(しかし人文系の人でもついていけるように)議論されていてすごい。このような大著をさっと書き上げられていて、別の本も既に執筆されていて、Twitter もたくさんしてらして、その縦横無尽さとフットワークの軽さに脱帽である……。(あと自分が見習いたいのは本学の [twitter:@hwtnv] 先生。手の速いこと!)

あと、概念の獲得は K-means(ソフトクラスタリング)でできるよ!というのは、工学から哲学に殴り込みをかける挑戦的な主張で、気持ちはよく分かるのだが、これで説得される哲学者はいないように思う。この本はかなり分かりやすい説明だとも思うのだが、そう感じるのはなぜか、言語化しにくい……。人間の言語体系は必ずしも合理的にできているわけではなく、例外だらけだし、人によってそれぞれ異なる(一方、普通コミュニケーションが取れる程度には共通している)ので、こんな単純にはいかなさそう、と思っているせいだろうか。あるいは確かに全てをこのように確率的に捉える観点で説明できたら、受け入れられるのかもしれない。

こうやって複数の分野をつなげる人はすごく行動力があり、頭の回転も速く感服するばかりだが、自分はもっと歩みが遅いように感じるので、この速度でもできるような方向性を考えていきたい。