水辺に連れていった馬に水を飲ませるには

午前2時から査読。最近、日本時間で行動していない感がある。大学院生だったころは、午後3時くらいに研究室に行って、翌午前6時くらいに帰宅していたので、午前2時というとある意味乗っている時間帯であったが、いまの生活もそんなに悪くない。こんな時間に毎日起きて娘の世話をしているなんて、去年までの自分に教えても絶対信じないだろうな。

大学に出勤して午前中は機械翻訳の勉強会、今週もアライメントについてで、モデルのパラメータの学習でたっぷり1時間半。その後進捗を1時間聞いたので、かなり充実感がある。日中・中日の機械翻訳の結果を初めて見たが、日英や英日と比べてそんなに悪くない。言語的にはそれぞれだいぶ違うと思うのだが……。やっぱり日英、そして英日の翻訳をがんばる意義はあるだろう。翻訳の結果も出揃ってきたし、機械翻訳勉強会のメンバーは全員かなり手が動くので、うまい具合に研究につながればいいなと思っている。

午後から南大沢に移動して、オートマトンと言語理論の授業。サイクルが分かってきたところだが、アンケートを出してもらうと評判がよくない。どうやら小テストはテスト前に類題を出して全ステップをスライドに入れて説明し、テストでは数字だけ変わったような問題を配布資料を見ながらあてはめて解きたいようだ。教科書に類題がない(が、考えれば自明な)問題を出したら、アンケートでも酷評されたのだが、なんで???(配布資料に答えそのものが載っている問題ですら「教えていない問題を出さないでほしい」と書かれていたりするので、そもそも全く聞いていない可能性もあるが)

自分自身そのような勉強をしたことがないし、そういう訓練には意味がないと思うのだが、先日別の授業で「配布資料は穴埋めにしてほしい」というリクエストがあった(複数の支持者がいた)ように、どうもうちの低学年の学生たちは、そういうのが「勉強」だと思っている(人も少なからずいる)ようだ。3年生の後期くらい以降の学生からは、そういう印象は受けないのだけどなぁ。

ただ、出席点を0にすると授業の出席率が6割ほどになるのだが、自分がこれまでこういう意見を目にしなかったのは、小テストの回数と成績に占めるウェイトを増やしたため、そういうのがなければ出席しない人まで出席するようになったせいかもしれず(学部2年生の授業は、学年のほぼ全員が履修しており、1-2人を除いて毎回皆出席)。大学の授業って、興味なければ出なければいいと思うし、教員の教え方が下手、あるいは授業に出るのは時間の無駄だと思えば自分で勉強すればいいと思うし、来年度は小テストで評価するのをなくそうかな……(本当は、出席して積極的に参加してくれるようにするのがベストなのだろうけど)。

あと、自分がいま情報通信コースにいたら、通信系の科目は穴埋めでないと解けないかもしれないし、考えたら分かると言われてもあまり考える気にならないかもしれない。あるいは、全く大学での勉強に興味が持てず、就職するつもりで毎日心を無にしておもしろいと感じられない勉強を苦痛に思いながら受けているのかもしれない。もし後者だとすると、学部で教えた内容を基礎知識としてすらその後使わない可能性が高く、かつおもしろがってやってくれない学生に対して、何ができるのだろう?(割合的には1-2割だと思うのだが……)

結局情報科学のおもしろさを学生に伝え切れていないのが原因だと思うし、力不足を痛感する。もっと1年生くらいから少しずつやらないとだめかなぁ……