新しい研究に挑戦するにも基礎知識が必要

朝が寒かったので早速昨日購入した手袋をする。かなりQOLが向上。こんなことならもっと早く買っておけばよかった。マフラーはまだしなくても大丈夫。

お昼は冬季にうちの研究室を受けたいという文学部の人とランチ。卒論の内容を聞いたりすると、当然ながらガチ文系で、自分の卒論を思い出す。理工系出身でない人はNAISTをお勧めしているのだが、うちも検討したいということなのである。

一番痛いのは自分がまだ博士後期課程の学生の主査になれないことである。博士論文の主査になれるなら、博士に進学することも含めて5年間でどこまでできるか、というプランを考えられるのだが、博士後期課程の学生が取れないとなると、2年間でできる研究を考えなければならない。外部からの入学生にあまり親切ではない首都大の大学院では、理工系以外の出身だと、数学やプログラミングを含め基礎知識の勉強で独習しなければならない分量を考えると、いろいろと制約が大きいのである。もちろん、ほとんどの場合は修士号を取って就職することになるだろうが……。

来年M1になる学生たちが博士に進学するころには、博士論文の主査になれるようになっているかもしれないが(社会人博士を取りたいと思うころには間違いなくなっているだろうが)、こればかりはなんとも言えないな〜。ちなみに博士論文の副査には今でもなることができて(実際これまで3人の博士論文の副査になっていて)、今年度も2人の博士論文の副査になるのだが、こうやって少しずつ積み上げて行くのであろう。

午後はNLPセミナー。去年の論文、

  • Toshikazu Tajiri, Mamoru Komachi, Yuji Matsumoto. Tense and Aspect Error Correction for ESL Learners Using Global Context. ACL 2012.

を紹介してもらう。紹介といっても、つい最近書いた論文なので、むしろ自分が説明する側であったが……。

見学した人が「『この論文を紹介しなさい』と渡すのですか」と質問されていたが、それはないかなぁ。入ってくる学生に卒業生の卒論や修論を渡して「これをやって」と引き継がせる研究室であれば、そういうこともあるかもしれないが、個人的には(学生は初めてかもしれないが、教員にとっては)既に分かったことをやってもおもしろくないので……。研究を積み上げにくいので、学生の気質によっては先輩ががっちり後輩の面倒を見るような体制のほうが、お互いハッピーかもしれないが、できる学生は新しいことに挑戦してほしいのである。

人文系と理工系でかなり様子が違うと思われるので、勉強会後に2時間くらい、研究スタイルの違いや、入学してから具体的にどんな生活になりそうか、というようなお話をしたりする。そもそもM1の学生が研究室にいないので、どんな感じか自分もよく分かってないけど……。

夜は3時間ほどアルゴリズム演習の添削をする。時間はかかるが、毎回見ているとみんなの個性の違いが分かったりしておもしろい。なぜか他人のコードをコピペする人がいなくならない(ただし毎回違う人)ので、チェックに半分くらいの時間を使わされるのだが、この時間はさすがに不毛だと思う。原理的にコピペのチェックをしなくていいようにできないだろうか……。