これからインドビザを申請する方のために

国際会議の参加のため、インドに行く予定なのだが、ビザの取得方法は2007年のときと同じかと思ったら、2012年に申請方法の大幅な変更があって、以前と全然違うので気をつけましょうという話。

まとめておくと、

  • 会議ビザの発行には10営業日かかります。
    • オンライン申請から最短5日で書類提出が可能になり、書類提出から5営業日後に受け取り可能になります
  • 必要な手続きは「オンライン申請」です (インド大使館の情報は古いです)。
  • 会議ビザの申請には必要な書類は以下の5つで、1つが欠けても受理してくれません。観光ビザの場合は、招待状と推薦状は要りません。
    • 「オンライン申請した書類を印刷したもの」
    • 「5cm✖5cmの写真」
    • 「インドビザ申請センターにあるビザの申請届」 (申請センターに行かないとない。日付と名前を書くだけ)
    • 「会議の開催組織の招待状」
    • 「所属する組織の推薦状」
  • オンライン申請書には、写真の下と2枚目の両方に、パスポートと同じサインをします。違うと、受理してくれません。

である。

(2012-11-13 追記) 上記および下記の情報はインドビザ大阪申請センターに関する情報であり、インドビザ東京申請センターは微妙に違うようである。違う点は

  • オンライン申請書を書いた人は、番号札を取って待たなくてよい。
    • オフラインの手書き申請書でも受け付けてくれるが、番号札を取って待たないといけない。(ただし、発行は迅速なようである。ものすごく長く待たないといけないようだが……)
  • オンライン申請書を出した人は、不備があると後日メールで連絡が来る。
  • 東京で申請した場合、だいたい発行までは2週間かかる。

(追記ここまで)

公式のインドビザ申請センターのページに行くと「申請書のダウンロードはこちらです」と書いてあるのだが、これはフェイクで、こちらの申請書をダウンロードして記入してもリジェクトされるので、間違えずにオンライン申請のページから申請書を作成し、提出日を予約してPDFを印刷すること。(公式のページ載っている情報が間違っていて、大変不親切である)

オンライン申請書は見本を見ながら書くとよい。一箇所でも間違えると受理してくれない (冗談のようだが、本当) し、間違いを訂正するとその日の受付は不可能になるので、ゆめゆめ間違えないように。

代行業者に頼んでも、恐らくビザ申請センターに行って交渉をするところだけを代行してくれるので、自分でやるのとあまり変わらない気がするが、書き間違いで受理してくれなくても、自分のせいではなく代行業者のせいにできるので、責任転嫁の費用だと思ってお願いするのはありだと思う。(あと、実際にビザ申請センターまで行く時間がないとか)

以下、今回インドビザを申請したここまでの経緯を書いておくと、

  • 10月18日、論文採択通知 (これに関しても二転三転あるのだが、ビザ申請には関係ないので割愛)
    • 同日、国際会議のサイトで参加登録
  • 10月19日、国際会議のオーガナイザから招待状のPDFが送付。
    • 同日、住所が微妙に違うので書き直してほしい、とメールしたが、返事なし。
    • 同日、成田からムンバイ行きの航空券を予約。残席1。
  • 10月29日、オンラインビザ申請サイトから申請書類を作成。11月5日の提出を予約。
    • 11月5-12日の平日が選択可能だった。
  • 11月5日10時、申請に指定された時間=イマココ

という状態。今回は「会議ビザ」というので参加することにしたので、それに合わせて前回は招待状があればよかったし、2007年のとき社会人は財政証明書はなくてよかったので、そのつもりで来たのが間違いだったことは、あとになって知る。

朝、伏見桃山から京阪に乗って北浜で降り、歩いて堺筋本町へ。以前は東京の人はインド大使館、大阪の人はインド総領事館で申請していたようなのだが、ここ数年はインドビザ申請センターに外注されているようだ。もっとも、大阪のインド総領事館とインドビザ申請センターは歩いて数分の距離なので、物理的にそこまで困るわけではない。場所は検索してもマップに出ないが、こちらの Google マップが正しい。

オンライン申請書をプリントすると予約時間は「午前10時」になっていたが、窓口の時間は9時から11時なので、早目に行ったほうがよい。月曜日だったせいもあるかもしれないが、9時半に着いて45番で20人待ちだった。

前の人の様子を見ていると、ビジネスビザなのに招待状がなくてリジェクトされていた人がいて、招待状を持ってこないなんて馬鹿じゃないの、と思ってみていたが、自分の番になり、ドヤ顔で記入した申請書と招待状を出すと、「所属機関の推薦状はどこですか?」と聞かれて冷や汗。また、内務省と外務省の入国許可証はないんですか、と聞かれて、これも滝汗。

確かにビザの必要書類はそれら5点ほどが書かれていたが、あまりにドキュメントの数が多いので、これは全部必要なのではなく、このうちのどれか1点が必要である、と解釈していたのだが、全部必要な書類らしいのである。

所属機関の推薦状はちょっと用意していないんですが、職員証でダメですか、と交渉してみたが、だめらしい。内務省と外務省の入国許可証は、「まだ会議までに1ヶ月以上あるから、出してもらえるでしょ」と言われたのだが、招待状の日付が10月19日であることを指摘し、その直後にオーガナイザーにメールしたが、返事がまだ来ていないので、難しいと思う、と伝えると、そちらは免除してくれた。所属機関の推薦状はFAXでも受け付けているので、11時までに送ってもらったら再審査します、とにかく、招待状と推薦状の2点がないと審査できません、とピシャリ。

あとでビザ申請センター中の張り紙を見てみると、確かに招待状と推薦状の2点が必要書類として書かれているので、この2つは本当に必要な書類なのだろう。(逆に言うと、ウェブページに書かれている内務省や外務省の入国許可の書類は、ビザ申請センターでは必要書類に入っていないので、なくてもいい書類なのだろう)

仕方ないので、ひとまず退散して、iPadを取り出して、自分の推薦状を執筆し (最近こういうのが多いので慣れている)、松本先生にメールし、FAXしてもらうよう伝える。秘書さんに電話すると、ちょうど松本先生がいらしたところだそうで、すぐ送ってもらえるそうである。窓口は11時までで、すでに10時半になっていたので、ドキドキしたが、なんとか10時45分くらいに送ってもらえたそうで、再度チャレンジ。並び直しになって番号が84番、15人待ちになったので、時間内に受け付けてくれるかヒヤヒヤしたが、パスポート受け取りの際に推薦状の原本を持ってくることを条件に、受け付けてもらえた。

あとで聞いたが、下書きで松本先生の肩書きを Professor にしていたのだが、松本先生が気を利かせて (?) Vice President (副学長) にしておいてくれたので、審査が早かったのかもしれない。(京大の方は研究科長とかセンター長とか、そういう方にお願いしたらしい)

10分ほどして名前を呼んでもらい、ビザの取得に必要な金額 (2,135円) を払って、サインしてパスポートの引き換え票を受け取る。11月5日申請で、引き取れるのは11月12日以降の16-17時らしい。引き取れるのは申請 (サイン) した人だけで、代理の人に受け取りを頼む場合は委任状が必要だそうだ。(これは窓口で言えばもらえる。あとからもらえるか分からないので、どちらか不明な人は一応もらっておくとよい)

申請に来た人は日本人と外国人が半々程度であるが、申請した人の1/3くらいはリジェクトされていて、さながら阿鼻叫喚であった。どうしてこんなに厳しいのだろうか……。リジェクトされていた理由はたとえば

  • ビジネスビザなのに招待状がない (再掲)
  • オンライン申請書のサインとパスポートのサインが違う
  • オンライン申請書でサインする場所が間違っている (写真の裏にはサインしなくていいが、写真を貼る場所の下と、2ページ目の両方にパスポートと同一のサインが必要)
  • オンライン申請書に貼る写真のサイズが違う (5cm✖5cm以外は受理されない、目の前で剥がされていた)
  • オンライン申請書に写真が貼られていない (オンラインでは画像ファイルを添付してカラー印刷できるのだが、それは不可)
  • 行き先の都市名しか書いていない
  • 名前を書いている位置が違う
  • 書いてある事項が間違っている (多くの人)
  • 申請する日付が先過ぎる (数ヶ月以上先のものは出さない?)

といったもの。サイン以外は手書きで直せないので、直す場合はオンライン申請書作成サイトに行ってPDFを再生成しなければならないのだが、PDFを再生成すると、提出可能日が生成した日の翌々日になるらしく(オンラインで情報が申請センターに来るまでに時間がかかるそうだ)、当日はどうやっても申請不能になるので、ご注意されたし。つまり、一箇所でもオンライン申請書に記述漏れあるいは記述ミスがあると、それだけで再度ビザ申請センターに来なければならなくなるのである。

12月の国際会議、COLINGのカメラレディ原稿の〆切が明日で、連続開催のワークショップの採択通知もそろそろだと思われるが、もしCOLINGに行かれる方で、自分が提出した申請書のサンプルあるいは推薦書のサンプルがほしい方は、メールいただければお渡しする。

ちなみに、観光ビザであれば Visa on Arrival というのがあって、デリーとかムンバイとか、一部の空港では、到着してからビザを取得できる制度があるそうだ。(日本を含めた限られた国しか対象になっていないが) 行ってみてノーと言われるリスクもあるのだが、事前にこんな面倒な手続きをしなくてよい (少しだけ割高なのと、空港で若干時間を取られるようだ) ので、興味のある方は調べてみられるとよい。

インドビザ申請に挑戦される方々の、健闘を祈る!

(2012-11-19 追加) 無事発行されました