一夜明けてだいぶ体力回復。久しぶりに外に行ってみよう、ということで、六地蔵に行ってみる。六地蔵は京都のベッドタウンのようだが、いま住んでいる団地にも毎週のように分譲マンションのチラシが入っていて、自分も車でしか通過したことがないので、一度歩いてみようかと思って。
六地蔵は今でこそ京都市営地下鉄、京阪電鉄、JR奈良線の3線があるターミナル駅だが、ずっと京阪の駅しかなかったようで、JRと地下鉄が来たのはこの10年とのこと。知らなかった。我が家からはJRだと桃山駅から六地蔵駅へは1駅140円。歩いてもいけないことはないくらいの距離である。イズミヤやイトーヨーカドー、近鉄MOMOなど、イオンに匹敵する大規模商業施設が徒歩圏内に3店もあるのだが、これでも回っているということは、このあたり、どんだけ人が住んでいるんだろうか……。
近鉄中でご飯を食べて、コーヒーを飲んで、無印で買い物をして帰ってくる。人がけっこう多くて疲労。子ども連れの人もたくさんいて活気があってよいが、NAIST近くの高の原や登美ヶ丘のほうが、同じ子連れが多くても、落ち着いているかなぁ。逆に桃山に帰ってくると寂れっぷりになごむのだが、この街では基本的にほとんど老人しか見ないし、いま住んでいる団地もほとんど人の気配がしないので (大学の宿舎にいたときと対照的)、これはこれで心配になるし……。
夜、山中さんのNHKスペシャルを見る。NAISTの紹介をしてくれるかなと思ったら、ばっちりしてくださっていた。NAISTに来てから3年目だかに、夏休みの段階でその年の研究費を使い果たしてしまって、学生に「できるだけ長く夏休みを取ってほしい」と言ったとか、研究費を捻出するために応募したCRESTの面接で、突拍子もないアイデアを話して、本当に実現できるのか、と面接官が言ったとき、山中さんが「大丈夫です、わたしはラグビーをしていたので、体力には自信があります」と答えて採用になった、というエピソードがおもしろかった (笑)
「山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた」
- 作者: 山中伸弥,緑慎也
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日刊ゲンダイのサイトで奈良先端科学技術大学院大学の魅力という記事が掲載されたりして、山中さんの効果は大きいなと思う。全体的に好意的な記事で、大変ありがたくはあるのだが、最後の部分がちょっと違うんじゃないかな。
「学生の質が高いのです。最先端のことをやりたいという旧帝大レベルの受験者がたくさん受けます。研究実績が高いことから人気になっているようです」(大学通信のゼネラルマネジャー・安田賢治氏)
朝日新聞出版「大学ランキング」編集統括の小林哲夫氏もこう言う。
「教える側も京大で研究していた先生などが多くクオリティーが高い。キャンパスは都市部から離れた山の中にあり、研究に集中できる環境も魅力です」
理系学生はここでワンランク上を目指すのもいい。
とあるが、NAISTは決して「ワンランク上を目指す」ような大学ではなく、どちらかというと山中さんのように「一発逆転を目指す」あるいは「キャリアの初期化を目指す」ような感じだと思うのだ。実際山中さん自身、NAISTの公募がだめなら研究者を辞めようと思って応募したくらいだし、山中さんと一緒にiPS細胞の実験をして現在は京大で専任講師をされている高橋さんも、同志社大学の工学部から生物のことは知らずに来たそうだし、とにかく経歴が異色な人が多いのである。
かくいう自分も、学部時代は哲学出身で、NAISTに来て一から情報科学を学んだし、来る前にやっていたことの「ワンランク上」ではなく、そもそも路線を外れているところにこそ意味があるのではなかろうか。学部でやっていたことの延長でワンランク上を目指したい方々は、最近はいわゆる旧帝大の大学院もだいぶ入りやすくなっているので、そちらを目指された方がいいのではないかな。