質問に答えることが正解ではない

明日は朝から出張なので、午前中からお昼にかけて、ひたすらメールの返事など。NLP若手の会シンポジウムも、来年に向けて動き出したところではあるが、いろいろ課題や反省点もあるので、次回は改善したい。

昼過ぎからM2の人たちの中間発表練習x6。発表時間は1人12分なのだが、コメントを入れると20-30分かかるので、全部で3時間ほど。内容に関することは直接言ったので、細かいスタイルに関することをいくつか書いておくと、

  • スライドにはページ番号を入れる。質問のとき、「xページに行ってください」と言われることがあるが、ページ番号がないとどのスライドか探すのに時間がかかる。
  • 最初の数ページで何をしたいか分かってもらわなければならないので、必要があれば図を使ったりして効果的に説明する。
  • 略語はちゃんと説明する。分野外の人には略語は分からない。(自分が知っているつもりの専門用語も同様)
  • 手法の説明で、何が given で何を当てるかはっきり説明する。必要であれば色を変えて目立たせる (色を使う場合、スライド全体で統一感があるように揃える。また、色を使いすぎないように。)
  • 実験は、使ったあるいは使うデータは何で (分量が分かっていれば分量も書く)、入力は何で出力は何か、明示する。
  • 実験・手法・評価尺度等、どうするのか説明するのはよいが、なぜそうするのか説明する。他にどのような手法が考えられるか。(場合によってはそれらがベースラインになったり、実装して比較するべき手法だったりする)

といったところか。今回はだいたいみなさん前を向いてそれなりに大きな声で喋っていたし、目次は入れていなかったし (さすがに12分の発表で目次は要らないと思う)、スタイルについてではなく内容に関するコメントができてよかった。

ただ、各スライドのタイトルがちょっといけてない場合がちらほら見られたので、「背景と目的」「提案手法 (1)」などとだけ書いている人は、再考したほうがいい。理想としては、スライド本体を全く見なくても、スライドのタイトルだけをつなげて読むだけで、その研究がどんな問題に取り組んで、どういう着眼点で解いて、どういう結果が得られたか分かることである。割合説明的なタイトルになると思うが、自分はそのスタイルが好き (唯一の正解があるわけではない)。[twitter:@kashi_pong] さんのスライドが、そういうスタイルの一つの境地だと思うので、一度見てみるとよいかも。

あと、「xxxってどういう意味?」という質問が来たとき、「それはyyyって意味で、zzzで……」などと延々説明する人がいるのだが、大体において、そういう疑問が出るということは、ちゃんとスライドの中で説明していなかったか、あるいは説明していても説明方法や順番がまずくて理解できないということである。聞いた人に口頭で説明してくれるのはよいのだが、根本的にはスライドのほうを直したほうがよいと思う。

しかしほとんどM1の人が来ていなかったので、大変もったいない。仲間が話をするときは聞きに行くものでも書いたが、他の人の発表を聞いて、どういうコメントが来るのか知ると、他山の石として繰り返さないことができるのだが……。自分の発表でなくても、研究室の他のメンバーが発表練習するときは、聞きに行くとよいと思う。(上記とは関係ないが、GPGPUNLPで有効に使えるタスクがなかなかなくて挫折していたのだが、deep learning で使うのが一番効果あるのかもな〜)

夕方、日付を1日間違えていて昨日できなかった学内実習のミーティング。ずれてしまったせいで、いつもミーティングに使っている図書室が使えず、ゼミ室も塞がっていたので、購買で飲み物を買って図書館のオープンスペースでミーティング。Appleにいたとき、ミーティングは基本的にカフェでやっていて、いつか自分もやりたいと思っていたのだが、図らずもこれが初研究室外ミーティングになった (汗) 

道すがら大規模データ処理について話したが (企業の持つデータと比べると、これを大規模と言うのは憚られるが)、72並列で回して3時間ほどで終わったそうで、並列化しないのはあほらしいくらいの時間がかかる。そこそこの規模のデータを使うときは、最初の段階で無駄に時間を使うのがなによりもったいないので、ディスクでもメモリでもCPUでもなんでも使って、一番時間がかかるところを可能な限り短縮したほうがいいと思う。もちろん、大規模に突然投げるのではなく、最初は小規模データでうまく行くかどうか試してみる必要はあるけど。いろいろ悩むのは最初の結果が出てからでいいので、とにかく何らかの結果が出るところまでいかに短時間で到達するかに集中するとよいと思うのである。

夜は松本先生と少し今後のご相談。毎回「小町くん何年目だっけ」とおっしゃるのだが、自分でも最近何年目か分からなくなる (自分が何歳かも計算しないと分からない) ので、段々どうでもよくなるのかもしれない。