若手だからこそ違う分野と積極的に交流していきたい

NLP若手の会シンポジウムの2日目の午前中は鶴岡さんによる「自然言語処理とAI」という招待講演。コンピュータ将棋でも自然言語処理でも世界トップクラスというまさに稀有な研究者の鶴岡さんならではのテーマで、前々から楽しみであった。太っ腹にスライドも大公開! 話の要約はまとめてみたので、興味のある方はどうぞ。(←NLP若手の会シンポジウムの宣伝)

お昼はプログラム委員全員で東北大学のレストランへ。やけに料理のクオリティが高く、うらやましい。来年度のシンポジウムのことなどを話し合ったりする。例年、年内に引き受けてもらえるところを打診して、引き受けてくれるところが出て来たら、プログラム委員のメーリングリストで議論し、言語処理学会年次大会でミーティングするときに承認する、というような流れかな。

午後は国際会議参加報告。[twitter:@chokkanorg] さんによる EMNLP 2012 参加報告が秀逸で、publication chair として、上がってくる論文をいかに予稿集にまとめるかの苦労話がおもしろい。EMNLPのオープニングで Marius Pasca さんが @chokkanorg さんの仕事を絶賛していたが、それくらい大変な仕事だったということか……。EMNLPのベストペーパーに対する感想は、自分も同じかな。また、[twitter:@tkng] さんによる ACL 2012 参加報告も小ネタ満載。突然のテンソル

今回は国際会議参加報告に加え、ACLのベストペーパーを受賞した[twitter:@haplotyper] さんにもベストペーパーの話をお願いしたが、やはり何度聞いてもおもしろい。かれこれ聞くのは3回だが、その度ごとに違うところに発見がある。

午後のポスターセッションは、ワークショップと同時ではなかったので、比較的ゆっくり見て回ることができた。一番おもしろかったのは

かな。系列ラベリングを前から解析したり後ろから解析したりすると、解析の誤りが伝播してしまうので、確信度の高いところから解析し、曖昧性の高いところを後に解く、という探索方法の提案で、これ自体は鶴岡さんが以前に提案した手法だが、それを今日の午前中にもあった解析の先読みと組み合わせるところがポイント (どっちの手法も鶴岡さんの提案した手法か)。どういう結果になるかは実際細かいところまで実装して実験してみないと分からないが、これまでの手法を上回る性能になってもおかしくない、と期待できそうな感じである。(結局奨励賞にも選ばれたようだ。ちなみに、今回奨励賞に選ばれた3件の発表のうち、2件は学部4年生の研究のようである。)

とはいえ、誤り検出・訂正ワークショップの奨励賞の集計があるのでぼんやりもできず、投票用紙の回収と集計。こちらは実はそれぞれのシステムが僅差で、実に上位3チームはそれぞれ1票差であった。「投票により奨励賞を決定する」とアナウンスしていたが、同数であることは迂闊にも想定していなかったので、ちょっと慌てた。最終的には差があったので、結果的にはよかったが……。ちなみに誤り検出・訂正ワークショップの最優秀賞、優秀賞、奨励賞の副賞 (賞金) も含め、ワークショップの運営費は全て教育測定研究所がスポンサーになってくれているので、教育測定研究所様々である。

全てのプログラムが終了し、クロージング。今回は会場がすばらしい場所で、発表もどれも熱のこもった議論ができておもしろかった。機械学習のサマースクールやFITと重なってしまったため、例年より参加者が減ってしまったのが残念であるが、来年は今年の教訓を活かすことができればと思う。

片付けのあと、自分は京都まで戻る必要があったので、雷雨の中 [twitter:@tomo_wb] くんと帰る。疲れすぎていて、新幹線の中でキーボードを開いてキーを押したまま寝てしまい、ファイルが大変なことになっていた。

東北大学のみなさん、すばらしい運営どうもありがとうございました! プログラム委員のみなさん、参加されたみなさんも、お疲れさまでした! また来年お会いしましょう!