アウトプットが出ない苦しい時期こそ力がついている

最近夜帰るときと朝起きた直後にものすごい疲労感があるのだが、エアコンで自律神経がやられているのだろうか。研究室の図書室に1時間以上いるとかなり高い確率で頭痛がするようになるのだが、狭い部屋でエアコンをかけるのがだめなのかもしれない。

松本研では毎年夏に1週間かけて英語の本を読む読書会 (日本人学生は原則参加) をやっていて、今日から来週の木曜日まで読書会のようである。今年は構文解析に関する本を読むそうだが (去年は The Art of Computer Programming を読んだ)、自分はちょっと忙しそうだった (NL研〆切、テキストアノテーションワークショップ参加、サマーブートキャンプ準備) ので、いったん担当を割り当ててもらったあと無理を言って外してもらったのであった (申し訳ない)。

というわけで、午前中、[twitter:@tomo_wb] くんと原稿の進み具合のチェックをして、分担したほうがよさそうだったので、関連研究を書いて渡す。〆切3日前なのに、まだ埋まっていないところがたくさんあるので、もっと書いてもよかったかもしれない。もっと早くに原稿ができればいいのだが、今回は松本先生が半強制的に申し込んでしまったので、いかんともし難い。これでも最大限努力してくれているので、自分にできることは分担できるところを分担して書くくらいだし……。(原稿の往復をしている時間がない)

昼過ぎからはサマーブートキャンプの準備。ひとまず実習用の MacBook 3台を全部アップデート。Mountain Lion (10.8) が出たが、Leopard (10.5) であった。実習には関係ないので、このまま行くけど……。一応 MacPorts とかのパッケージ周りを更新しておく。

MacBookのアップデートの横でスライドの更新。基本的には今年3月にあったスプリングセミナーの資料の使い回しで、少しずつ更新。来年のスプリングセミナーは新しいタスクにしたいところだが、実質手を動かせるのが半日くらいなので、どのようなタスクにするのかいつも悩む。実装が終わらず全く結果が出ないとちょっと実習にならないので、最低限のベースラインは簡単に作れるタスクで、かつ工夫しようと思えばいろいろ工夫できる、というようなタスクがよいのだが、簡単すぎても難しすぎてもダメ、というのはややこしいのだ。

質問応答サイトの Quora から「こんな記事はどうですか?」とお勧め記事のメールが来るのだが、先日来たWhy does it take so long to get a Ph.D.? という質問に対する回答が、率直に答えていて好感が持てる。基本的には「博士号を取得する過程で、ひとりで研究をする能力を身につける必要があり、それには時間がかかる」という内容なのだが、最後の段落の

One of the valid outcomes, by the way, is realising that academia is not for you, and that you need something else (more teaching, more practice, less stress, etc).

というのも、そうだよなぁ、と同意せざるを得ない。問題の立て方から研究の進め方、論文の書き方まで少なくとも自分でできる状態になる、というのはかなりの訓練を必要とするし、逆にアカデミアでその後仕事をするのであれば、ここまでできるのは終わりではなくむしろ始まりで、一緒に学生と (研究室に配属された学生かも、同じ部署に配属された後輩かも、あるいはインターンで一時的に来る学生かもしれないが) 研究して、彼ら彼女らが一人立ちできるまで付き合う、という訓練が待っているのである。

自分は自分がしてもらったようにしかできないと思うが、それでも十分にできていないと思うことが多々あり、力不足を痛感するのだが、常に自分の成長を実感できるという意味では、恵まれた環境にいるのだろう。(現状維持だけではなくもっと「攻めて」行きたいのだが、そのためにはしばらく力を溜めないといけないのかなと思っている)