言語処理と倫理委員会

朝、天気予報を信じて洗濯したのだが、信じるんじゃなかった……。ちょうどお昼くらいに突然天気が悪くなり、激しい雷雨。そして突然の停電。20分近く停電していたようで、無停電電源装置の配下に入っていないマシンが落ちたりする。計画停電以外でこんなに長く停電したのは初めてじゃないかな〜。

昼からATR (NAISTの近くの研究所) へ。研究員の方が ATR で実験を計画されたそうだが、条件に合致する被験者の人がなかなか集まらず、被験者として学生さんにお願いできませんか?とメールいただいており、学生さんを紹介してみたのだが、急遽実験器具の空く時間ができたようで、自分もお願いされたのである (ご存知の方もいるかもしれないが、こういう実験器具は非常に高額で、使用するのに数時間で数十万円かかったりするので、遊んでいる時間を作らないほうがよいのである)。

実験の被験者になるのは初めてではないのだが (駒場で言語系や教育心理系の大学院生の研究の実験など、ときどき被験者の募集があって、やっていた)、こんな大がかりな実験装置を使うようなのはこれまでになく、へ〜、と思うことしきり。

しかしこうやってがんばってデータを集めても、被験者数が少ないと、たとえば「n=3なんですか?」と言われたり (nというのはデータの数である)、あるいは針を刺してデータを取るような実験だとそもそも被験者が集まらず、自分でやるしかなかったりするそうだが、そうすると「自分が被験者だったらどうとでもできるので信頼性がない」と言われたりすると……。(事例数が少ないことに関しては研究の世界ではよく言われると駒場で酒井先生の脳神経科学の授業でも聞いたことがあるが)

所変われば品変わる、言語処理は倫理委員会なんかとは遠い世界にいるのだが、こういうのが必要とされる世の中になる可能性もあるんだろうな。承認が降りなくてアノテーションを頼めなかったりとか?そうなると相当苦しいような気もするのだが……。(妻は研究で倫理委員会から実験計画の変更を迫られたりしたこともあるらしいが、研究の実施場所ごとに倫理委員会を通さないといけないので、厳しいところは厳しいそうだ。)

外に出たついでに人工知能学会全国大会の振り込みを済ませたりする。普通のゆうちょのATMで振り込みできるのかと思いきや、イオンにあるATMでは振り込みできず、結局郵便局に行く。M1のときはM2の先輩と一緒に郵便局に行った記憶があるのだが、そうやって先輩から後輩にノウハウ (というほどでもないが) が伝わっていくのかな。自分たちの一つ上の代の方々は、一人も博士に進学せず、全員就職した代の方々なのだが、細々としたことはいろいろ教わったような記憶がある。

日本語コーパス関係の仕事をするために、作業者さんと同じ環境でデータを見ようと思ってMacVMware Fusionの中のWindows環境を触ってみたのだが、3時間いじってまだWindows Updateすら終わらない……。いつもデータの確認はMacでやっているが、Tcl/TkがWindowsのActiveTclと微妙に違うので、文字コード周りなど自分でパッチを当てて使っているのだ。研究室の共用ラップトップを使ったほうが速いかな。そちらはUnix作業環境が整っていないので、そちらも環境設定に時間がかかりそうだけど……。画面が大きくて1kgくらいのWindowsノートPC、ないかなぁ。Let's noteかなぁ。