言われたことを反芻する時間も必要

土曜日のオープンキャンパスの直後に thichin-t さんの発表練習をしたのだが、ちょっと時間オーバーしていたため、本番当日だが最終練習することになったので、午前中は発表練習。

けっこう松本先生も言うことがきついが、相手に考えさせる聴き方をしていて参考になる。相手が聞いているかどうか無視して一方的に喋り続ける人もいるのだが、それは会話のキャッチボールとならなければならないところ、相手が受け取れないのを無視してひたすらボールを投げつけるようなもので、やっぱり相手の反応をちゃんと見たほうがいいと思う。(急かさず待つことも大事)

昼から学生中間発表 (ゼミナール2)。以前副査の先生がいらっしゃるかどうか確認せずに修士論文の発表会を始めてしまったことがあり、同じ間違いを繰り返さないために事前に確認したところ、どうやらいらっしゃらないようで……。本日の発表3件中2件副査の先生方が学外にいらして来られなかったようだが、秋卒業の人を対象にした、ちょっとイレギュラーな時期の中間発表だからかな。(春卒業の人の中間発表は9月にあり、丸々1週間朝から晩までスケジュールが詰まっている)

いずれにせよ副査の先生方には研究内容を知ってもらう必要があるので、今日は今日で発表会を開催し、発表した学生には後日副査の先生のところに説明に上がるよう伝える、という形で落着。

午後、共同研究の電話会議。アノテーションを決めるのはいろいろと大変である。というか、アノテーションはするのもさせるのも適性があり、なおかつする側もさせる側も長期間訓練しないと (経験がないと) 難しい、ということかもしれない。特に日本語のウェブテキストがアノテーション対象だと、悪夢のような感じ……。

夕方、言語教育勉強会。今回の勉強会、M1で参加したのはyutaro-sくんだけで、中間試験前に開催しないほうがよかったかなと思いつつ、進捗報告の回が試験の都合で2回なくなるのももったいないので、参加したい人だけ参加する、という方向で夏学期末も普通に開催しよう。

最初英文誤り訂正タスクのポスター発表練習。3人の合作になるのだが、ポスターを複数人で作るのは大変そう。結局国際会議で話すのは[twitter:@keiskS]くんなので、彼に情報が伝わっていればいいのだが、実装の詳細を聞かれると、本人以外答えるのは難しいだろうなぁ。(あとエラー分析も、やった本人でないとほとんど分からないような)

論文紹介はyu-sくんによる

  • Wang, T. and Hirst, G., "Near-synonym lexical choice in latent semantic space", Coling 2010.

である。yu-sくんが興味のあるのは英語学習者の動詞の選択で、複数の動詞の候補があったとき、どの候補のほうが適切か、というタスクをやりたいそうなのだが、実は類義語の選択タスクという問題が、第二言語学習以外の文脈でたくさん取り上げられており、この研究は特に LSA を使って類義語の選択タスクを解きました、というお話。

この論文自体はなんでこんなふうにやっているのか? という箇所がところどころ気になるのだが、こういう空欄補充の研究が動詞選択の関連研究としてある、ということが分かって有益であった。第二言語教育では、そもそもどの単語とどの単語を間違えやすいか、という混同行列を作るところがむしろフォーカスで、作った混同行列から実際どれが正しいのかを自動で当てるのは別の研究なのだろうな。(たとえば、意味が似ているから間違えるだけではなく、音が似ているから間違えることもあれば、形が似ているから間違えることもあるし、はたまた学習者の母語に翻訳したとき同じ単語になるから間違える、といったものまである) 

今年の COLING の投稿〆切は8月のようだが、どうなることやら……。