くじ引きは何度も引けばいつかは当たる

朝からもう一度桃山御陵前へ。週2回同じ場所に来ると疲労感が……。

10時、観月橋団地の抽選 を見に行く。この団地、リノベーション物件なので UR のウェブページには載っておらず、当初の募集は別のページ経由で公募となっていて、事前申し込み不要の抽選で決めるのであった。公団の抽選はどんなものかと思って検索したところ、子育て世帯や高齢者世帯は当選確率が20倍になるなどと書いてあり、自分は子どももいないし両親も近くに住んでいないし、単身者や DINKS は民間の賃貸を借りなさいということなのだろうな、と思いつつ……。

団地の集会所に到着してみると、全部席は埋まっていて、立っている人がちらほらいるくらい。最終的には1LDKと2LDKを合わせて60戸募集するそうだが、最初に公募するのは半数で、今日は当初1LDKを18戸募集する予定だったが、2戸は完成が間に合わなかったので (なにせ、元の部屋を活かしながらリフォームしているので、部屋によっては時間がかかるのだろう)、16戸の募集となるとのことである。そして、抽選とはなにをするのかと思ったら、本当にガラガラ回して玉を出す抽選で、1世帯1玉、子育て世帯だろうが高齢者世帯だろうが同じ票数(?)らしい。今回午前中の1LDKの募集に来ていたのは57世帯で (夫婦で来ていて2票もらおうとしていた人がいたが、1世帯1票で、不正をしたら当選しても取り消される、というような説明を受けていて、1票にしていた人もいる)、倍率は (もし 1LDK の部屋タイプにこだわりがないなら) 3倍程度ということだそうだ。

この抽選、立会人が2人必要だそうで、それはその部屋にいる人の中からボランティアを募ってやるものらしく、UR の社員さんが「どなたかやってくださいませんか」と言うので、自分は1LDKの部屋にあまり興味もなかったし、手を挙げて前に出る。もう1人は、立候補ではないが、社員さんと目が合った人が指名されて2人で立会人ということになった。

立会人の仕事は大きくわけて2つで、1つは玉を入れて回して出すこと、もう1つは抽選結果の確認 (と署名) である。まず、申込者の名前と番号一覧を見せられるので、確かに57人申し込んだことを確認し、玉が1番から57番まであることを確認し、抽選器に玉が1つも入っていないことを確認し、玉を投入する。次に何回か抽選器を逆に回して玉を混ぜ、順番に1つずつ玉を出す。人生でこんなに抽選器を回したのは初めて (笑) けっこうおもしろい。いや、これで人生変わる人もいるのだろうから、回す自分は神妙な顔でやっていたが……。

出てきた玉は、社員さんが玉の出るたびに取り、数字が正しく見えるようにして、立会人の自分たち2人にはっきり見えるように持って確認させ、「申し込み番号3番の方、順位は21番です」のように読み上げる。そうすると、希望順位の記録係の人がそれぞれ黒板と記録用紙の双方に、何番の人の順位が何番、と書いて行く。

この番号の解釈がややこしく、抽選が終わったら、順位が1番の人から順に、希望するタイプを先着順で決めて行く、というものなのだが、どうも抽選後のみなさんの行動を見るに、申し込み番号と順位の解釈を逆にしていて、自分のところまで回って来ないと判断して帰ってしまった人がたくさんいるようであった。

システムとしては割と合理的で、早く並んだからといって全く有利になるわけではないし、早く並ぶ利点としては、申し込み番号1番から順に順位が確定していくので、たとえば申し込み番号が1番で、出た玉の順位が57位だと、どう考えても恐らく自分のところまで物件が残っていることはない、と分かるため、残り56人の抽選結果を聞かないでも立ち去ることができる、ということくらいだろう。

全部の玉が出たら、もう抽選器の中に玉が一つも残っていないことを (何回か回して) 確認し、投入した玉が全部目の前にあることを確認し、その順番が黒板に書かれた順番、および記録用紙に書かれた順番と同じであることを確認し、2人で署名してお仕事完了。「粗品ですが」と言われて渡されたのは、UR のマークが入った目覚まし時計兼温度計である (温度が分かるのはうれしいが……)。

抽選後、どのようにみんな希望して行くのかな、と見ていると、中くらいの階、そして小さい部屋から順に埋まって行き、一番不人気だったのは、2LDK と同じサイズの 1LDK であった (家賃が他のタイプと比べると月1万円高い。それでも最大月58,000円なのだが……)。番号の解釈を間違えたのか、あるいは自分の希望するタイプが全部先に取られてしまったのか、ばたばたと帰る人が相次ぎ、16戸全部入る人が決まったのは、順位28位の人のところであった。つまり、12人はタイプにこだわらなければ入る権利があったのに、放棄して帰ってしまった、ということだが、結局実質倍率は2倍程度であった、ということのようである。

やりとりを見ながら、10年後自分はこの風景を覚えているだろうか、そういえば10年前に部屋探ししたときの記憶、ほとんどないなぁ、なんて考えたりしていた。

11時に午前の部 (1LDK) が終わったので、このあたりも一通り歩こう、と思って、観月橋団地から南下し、宇治川のほとりの京阪宇治線観月橋駅へ。歩いて5分ほど。なんだかこのあたり、徒歩20分以内に駅が5個も6個もあって、これはどこに住もうとしても駅近だったら線路から離れて住めないわけだ、と思ったりする。

観月橋駅から今度は宇治川沿いに西に進み、10分ほどで京阪本線中書島駅へ。もともと橋がない島だったらしいが、いまは普通に橋がかかっていて、普通に地続きかと錯覚するほどである。中書島駅前の通りは「中書島繁栄会」と名乗っているが、どう見ても繁栄していない……。昔は遊郭があったらしいがいまはその面影もなく、住宅が立ち並んでいる。

中書島駅からまっすく北上すると、坂本龍馬でおなじみの寺田屋がある。けっこう観光客が来ていた。酒蔵もたくさんあるあたりのようで、それなりに趣がある。がんばって観光客を誘致しているんだろうなぁ、と涙ぐましい努力を商店街のところどころに感じる。(成功していると思う)

さらにそのまま北上し、伏見区役所まで歩いて、[twitter:@koh_t] さんお勧めの 酒粕ラーメンを食べる。伏見は酒どころということで、名物の一つらしい。ぎりぎり12時前に行ったので普通にカウンター席に入れたが、自分よりあとに来た人たちは並んでいた。素朴な味で、実家で食べていたラーメン (というかうどんかみそ汁を食べている感じ?) を思い出す。あぶらげはラーメンに合わなくもないが、大根は個人的にちょっときつかった。(あとで胃もたれしたので、たぶん胃もたれを防ぐ意味で大根が山盛りになっているのだと納得したが……) 病み上がりだったので消化力が落ちていたのかもしれないが、体調がいいときに来たらまた来てみたい。

午後はもう一度観月橋団地に行き、今度は2LDKの抽選。抽選方法は午前の1LDKと同じだが、違う点は1Kと2LDKを同時に抽選する点。この2つを希望する層は完全に違うので、ということだろうが、1K に入りたいが家賃的に 2LDK でもよい、という人が、2LDK でなければダメ、という人を押しのけてしまうのはよろしくないような。ともあれ、1Kと2LDKそれぞれ6個募集予定だったところ、1Kの1部屋が間に合わなかったので、全部で11戸の募集に対し、30世帯の申し込み。

今回も同じように抽選があったが、午前中の説明が悪かったという反省のためか、申し込み番号と順位の解釈の仕方を詳しく説明されていた。(まあ、最大30世帯なので、最後まで残っていてもすぐ終わる、という事情もあるだろうが)

1K/2LDK のほうは、1K から順番にどんどん埋まる。2LDK の中では3階、5階、4階の順に人気のようである。午後の部は順位13位までで募集の11戸が全部決まり、終了 (2人は辞退)。倍率2倍強かな。

終了後、スタッフの方と雑談。この部屋の間取りは自分としてはちょっと困るので入りたいとは思わない、とか、古い時代に作られた団地なので日当りがよいのはいいですね、とか話していたのだが、実は話しかけていた方は実際に設計を担当していたリーダーの方だったようで、なんだか失礼な話し方をしていたのではないかとちょっと不安……。

帰り、ミナージュさんのところにまた顔を出す。いろいろと考えた結果、結局、高の原をお願いすることに。初めてご相談したとき、高の原でも取り扱いがあると聞いていて、駅から歩いて7分くらいだし、高くないし (松本先生曰く「それは安い」とのこと)、ミナージュさんにはいろいろとお世話になったので、これはお願いしようと思って。場所も見させてもらったが、NAIST にも車で20分とかからず行けるし、静かなところでよいかなと思ったり。

よくも悪くも今回はいい経験をさせてもらったものだと思う。