2010年度人工知能学会論文賞を受賞しました

朝から研究費の申請書を書いたりなど。他の方々の申請書を見せてもらうのは参考になるのだが、計画書書きはときどき不毛に感じてしまう。しばらく書かなくていい生活に戻りたい……。

2010年度の人工知能学会論文賞をいただけることになったようである。高く評価してくださってありがたい。共著者のみなさまに感謝。

最初共著者のみなさんには先に届いていたようなのだが、どうやら自分だけ学生のときのアドレス(mamoru-k)に送られていて、松本先生から教えてもらって気がついた (逆に言うと全員投稿時と違うアドレスになっていたら、どうするんだろう。1年で全員変わったりはしないか)。

研究内容的には2008年に言語処理学会年次大会の最優秀発表賞をいただいたのと同じ研究なのだが、論文誌にまとめるのに時間がかかり (途中国際会議に投稿して一度落とされたりして)、掲載が2010年になってしまったのであった。「2010年度」の賞なのだが、対象は2010年1月から12月までの掲載論文から選定されるようだ。実はこれまでジャーナル論文に対する賞はもらったことがないので、嬉しいものである。

6月1-3日の全国大会(岩手)で表彰式があるようなのだが、震災の影響により開催がまだ未定。余震の恐れがないなら、復興支援のために開いてほしいのだけど、なかなかそうも行かないのかな。

さて、そろそろ新年度の勉強会の日時を決めないといけないようだ。来週どうなるか分からないから、なかなか決めにくいのだけど、GW明けから本格開催かな? 松本研の学生の強みはなんといっても勉強会。集中開催のものも含めると、毎年10個以上開催される勉強会が研究の原動力である。勉強会に出ても、単位がもらえるわけでも卒業のために必要なわけでも教科書を1冊読み終えるわけでもないのだが、メイン勉強会で自分の研究の進捗報告をしたり、論文紹介をしたりすることで、段々と研究の形ができてくる。少しずつでもいいので、ときどきアウトプットすることが大事なのかな、と思う。

勉強会といえば、今月号(2011年Vol.52 No.4-5)の「情報処理」が「勉強会」特集で、日本各地で開かれている勉強会についていろいろ紹介されていたり、勉強会に参加することの意義なんかについても座談会があったりして、おもしろい。(ちなみに、先日人工知能学会誌に書評を書いたときも、自然言語処理に関する勉強会について紹介した) あと、益田さんの「若者が内向きなのではない」というコラムも興味深い。少し引用すると、

[...]多くの学生に会い,(引用者注: 海外で)学位取得留学を目指す学生が少ない理由が分かった気がしている.裕福な日本に満足し,内向き志向になっているのだろうか.答えは否である.
 海外に出るより,日本の大学の博士課程に進んだ方がリスクが少なく,将来希望する研究職に就ける確率が高いと考えている学生が多いからだ.与えられた環境でちゃんと自分の将来を計算している.(p.471)

この日記でも最近何回か[http://d.hatena.ne.jp/mamoruk/20110220/p1:title=「リスク」について]書いている通り、この意見、自分も同感。いつの時代でも、学生は、ものすごくリスク(とコストとリターン)について考えている。

昔と比べると世の中の動きが速いので、投資を素早く回収するべく最適化していると考えると、それはそれでありなのかもしれないが、あまりに環境に適応しすぎるのもよくないので、適当にやるのがいいんじゃないかな〜。