週末はどうしても寝暮らしてしまう……。今日もマッサージに行ったが、そろそろ暖かくなってきたし、回復してきたかなぁ。
今年読んで紹介しようと思ってできなかった本、「ベスト・プロフェッサー」を紹介。今年現時点まででのベスト3に入る好著。

- 作者: ケンベイン,高橋靖直
- 出版社/メーカー: 玉川大学出版部
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 単行本
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これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
- 作者: マイケル・サンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/05/22
- メディア: 単行本
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象徴的なエピソードは、教員に「授業をお願いできますか」と聞いたとき、普通の教員は「週何コマか」「テストは何回すればいいか」「受講生は何人か」といったことを聞くのが典型的な反応だそうだが、「優れた教員」であると学生からも同僚からも見なされている教員は、「受講生はなにを身につけたいと思っているのか」ということをなによりも先に聞くそうだ。学生の認知モデルは簡単に変わるものではなく、ほしいと思っているものを与えるのが一番効果的だが、そこから初めて半期なり通年なりの授業が終わったとき、自分の考え方が大きく変わるような、それからの人生に影響を与えるような、そういう授業をこの本に登場する「ベストプロフェッサー」たちはしているということだ。
読む前は講義中心の授業を担当する教員向けの話かと思っていたのだが、研究室単位での教育が中心の教員や、修士・学部生の面倒を見ることが多い博士前期課程の学生にも多いに参考になる。翻訳がときどきいまいちだが(「関数」の意味の function が「機能」と訳されていたり)、本質的な部分の誤訳はないので、大学関係のみなさんに一読をお勧めする。(NAIST の図書館で買ってもらったので、NAIST の人は図書館で借りられるが、もう一冊注文して手元においておきたいくらいである)