仕事のできない就活エリートと東大生

今日から勉強会がスタートしているらしい。まだ帰省先の人もいるかもしれないが……。松本先生に昨日年始の挨拶に行ったら「ぼくは電総研時代1月4日に仕事に出たことなかったよ」とおっしゃるのだが、これはもう少し有給を取ってのんびりしていてもよかったのだろうか。いや、研究所で学生がいなかったから年始これといって忙しくなかった、という意味なんだろうけど……

iPad での論文管理には Papers を使っていて、これはこれで満足しているのだが、高い(1,700円)のと iPad (iPhone) および Mac 版しかないのが難点。Mendeley のほうがどこからでも使えていいのだが、これは iPad 版が存在しないのだった。

と思ったらMendeley for iPad (Lite) が出たらしい。悪くはないのだが、単体で論文がダウンロードできないのが痛いかな〜(Dropbox は読めるので、Dropbox に置いたりすればいいんだろうが)。Papers は単体で Google Scholar とかから検索してその場でダウンロードできるので……

ふと本屋で見かけて読んだ「娘が東大に合格した本当の理由」

がおもしろかった。タイトルとオビは釣りで、別に「こうやれば東大に受かる」というようなことは一つも書いていない。100ます計算の「隂山メソッド」で知られる隂山家は二女一男なのだが、そのうち次女が東大を目指す、ということになってからのドタバタを、父の視点と娘の視点両方から描いたエッセイであり、エッセイの部分がおもしろい。

娘さんの「自戦記」も全体のボリュームの1/3くらいあって、同じ時間同じ空間を過ごしているのに、父と娘でこんなに認識が違うんだぁ、というギャッブが楽しい。むしろ父親側は東大なんて自分自身受験することすら考えていなかった(隂山氏は岡山大出身)のに、100ます計算で有名になってしまって「で、お子さんの教育はどうなんですか?」と聞かれて困惑する話とか、子どもを育てる父親の苦悩の部分がとても参考になる。仕事で家を空けがちになり、仕事の都合で転校と家族離散を子どもたちに強いてしまうというのは、自分ももしかすると他人事ではないのだが、外面だけいい父親にならないように気をつけないと……

あと父親側からも娘側からも書いてあるが、「ドラゴン桜」の影響で東大を目指す人は実際増えていて、これがこれまでそれなりに拮抗していた東大・京大人気に対し、東大が京大を引き離していった理由の一つになっているそうだ。なるほどなぁ〜。「ドラゴン桜」、漫画だけど内容はしっかりしていて (あれの内容が「馬鹿げた話」だと思う人は、たぶん内容を理解できていないんじゃないかな)、あれがきっかけになって実際入学にまでこぎつける学生がいる、というのはよく分かる。

ただ気になるのはマニュアル化された生き方に過剰に適応してしまう学生の増加かなぁ。「就活エリートの迷走」

就活エリートの迷走 (ちくま新書)

就活エリートの迷走 (ちくま新書)

という本が先日出て、これはこれから就職活動する学生の人たちはぜひ読んでほしいし、最近の若い人たち(新入社員たち含む)に「ちょっと最近変なんじゃないの」と思う人に特にお勧めなのだが、特に旧帝大出身者に多い「コミュ力のある就活マッチョがなぜ入社後に潰れたり問題児になったりするのか」というテーマに切り込んだ好著。

どうやったら改善できるかについては長期インターンシップをもっと拡大すること、という点で自分と意見は同じだが、最近の「エントリーシート・自己分析」に代表される採用活動ってこういう弊害があるんだ、あれがうまくクリアできるというのはむしろ頭でっかちのお勉強好きなエリートたちの問題を先送りにしてしまうかもしれないのか、ということに気づかされた。

そもそもこういう「自分探し」を煽ってきたのがリクルートなんだからマッチポンプではないか、という批判はあると思うが、それでもこういうように「エントリーシートはもうやめよう」という指摘をしているのは偉いと思う。今朝もM1の学生さんから「そろそろ就職活動なんですけど、エントリーシート書くのって大変ですね〜」と言われ、書き方をアドバイスしようかどうか迷った挙げ句彼女にはアドバイスしなかったのだが、こういう本を一度読んでみるといいかと思う。