2010年は試行錯誤に費やしたが、いろいろと学んだ

年の瀬。

いろいろ行こうかなという計画は立てていたものの、どこにも行かず家で過ごしましょう、という感じに。

近所のスーパーで年越しそばの材料やお刺身を買って帰り、紅白を見ながらちびちびと食べる。去年は奈良だったが、結婚してから今まで一度も同じ場所だったことがない。来年はどこで年越しするのか分からないが、来年も同じように元気で年越しできるといいなぁ。

去年にならって今年も振り返ってみる。

1-3月

  • 博士論文を書いて提出。あと就職関係の書類やらなにやらを準備したり。自然言語処理的にはこのシーズンに論文を投稿しないと1年棒に振るのだが、2009年にやった仕事がないので (夏は Appleインターンに行っていた) なにも出せず、鬱々と過ごす。

4-6月

  • 仕事を始める。挨拶回りをしたりなんだり、勝手がよく分からず右往左往する。仕事のペースも分からず、9時台に来てそのまま朝の4時くらいまで研究室にいたり (睡眠時間3-4時間くらい?)、研究費申請にものすごく時間を費やす (結局全部落ちたが、天狗にならずこれはこれでよかったと思った)。

7-9月

  • 演習の授業を担当したり、少しずつ教員っぽい仕事が増えてくるが、言うは易く行うは難し、学生目線で想像していた仕事と相当違って四苦八苦。こんなにいい環境の研究大学助教なのだから、と自分で研究をしようと思ってもがく。論文は書けなかったがプログラミングはぼちぼち。

10-12月

  • 大学での仕事がなんとなく掴めてきたので楽になってきた。生活サイクルも安定してきた。腰を痛めてみなさんの気遣いにホロリ。無理はしないようになった。秋シーズンの研究費もいろいろ申請してみたが、いまやるべきことはこれ (=研究費獲得) ではないと悟る。外で話す機会も挑戦してみて、少しずつ楽しくなってくる。

今年の抱負との関係で言うと、自己採点すると50点くらいかな……。でもこれからどうしようもない50点ではなく、今後の方向性が見えた50点なので、来年はもっとよくなると思う。

まず「新しい研究テーマを考えて実践」は、今年前半苦しんで (もっと言うと去年の秋口くらいから悩んで) 結局捨て、10月以降新しく言語教育勉強会をスタートさせてからおもしろくなってきたかな? ま、自分で考えて、というよりは、一緒に研究している人たちがアイデアをくれたり実験してくれたりするので、自分はそれを回す潤滑油のような役割で、到底自分一人でやっているものではなく、みなさんに感謝あるのみである。

次に「研究と開発のバランスを取る」は「たくさん研究のことをする時期」と「たくさん開発のことをする時期」ができてしまい、あまりバランスがよくなかった (全体をならすと実質的には同じなのだが……)。もっとコンスタントにやりたい。ようやく時間の使い方が分かってきたので、来年はできると思う。長時間職場にいてもできるものではないので、メリハリをつけたい。

最後に「プレイヤーからコーチへのパスを模索」に関しては、1年近くかかったが段々分かってきた。助教で着任してからの半年は焦る気持ちもあったが、最近は将来について不安に思うことはなくなり (もしかしたらそれはそれでまずいのかもしれないが……)、毎日気楽に過ごしている。

思えば5年前は知識ゼロからスタートしたわけであり、たった5年しかかけていない知識を守りに入るのも馬鹿馬鹿しく、いま自分から自然言語処理の知識が全部記憶喪失で消えてしまっても、1から新しくスタートすればいいじゃないか、別に命まで取られるわけでなし、と思っている。

2010年は半分以上試行錯誤の連続で、成果の出ないことも多々あったが、新しい役割に慣れるために必要な時期でもあったし、来年も成果が出たり出なかったりするのだろうが、焦らずくさらず、自分にしかできないことをやっていきたい。