世界レベルの研究をするために捨てなければならないもの

午前中 GPGPU ミーティング。10月から授業も始まるので、あと1回か2回で終わる予定。自分も初めてのことなのでなんだか進め方がよく分かっていなかったせいか、研究ネタにつながるような感じにならなかったのが残念。自分が忙しく8月上旬まで準備する時間がなかったのが申し訳ない。反省して来年は早いうちから考えておかないと。

午後は M2 の中間発表練習。昨日も思ったが、これまでやってきた研究がある人はそれをベースにすればよいのでスライドもこなれているが、新しいネタをやっていると苦しい感じ。人前で話すのも、同じスライドで何回も話していればこなれてくるが、話した回数が少ないスライドだと最適化されていないのでいろいろと粗が目立つ。しかし最近は NL 研の発表練習もなあなあになっていたり(=やらなかったり)、あるいはそもそも対外発表する人が少なかったり(これは自分も多いに反省せねばならないが)、よろしくない感じ。

Twitter で何人かの方が「君たちに伝えたい3つのこと--仕事と人生について科学者からのメッセージ」

君たちに伝えたい3つのこと―仕事と人生について 科学者からのメッセージ

君たちに伝えたい3つのこと―仕事と人生について 科学者からのメッセージ

をお勧めしていたので読んでみる。

(2010-09-24 追記) はてなブックマークのコメントで教えていただいたが、ウェブからも一部読めるらしい。ちら見したい人、買うほどでもないなという人はこちらをどうぞ。多謝!

まあ、密度の濃い本ではないが、「こういう考え方もあるんだ」と知るのはいいかも。前半部分は「なんだかなぁ」と思うところがほとんどだった(世の中のほとんどの人の仕事を「つまらない仕事」と言い切り、研究職や芸術家の仕事が「おもしろい仕事」というのは一方的な価値観すぎやしないか?)が、後半部分は「博士の学生、助教や准教授の立場の人はどのような心構えでいるべきか」というようなことがいろいろ書いてあり、最近業績のために論文書くのもなんだかなぁ、と思っていたのだが、後進に研究している姿を見せるために論文書かないといけないんだ、と考えを新たにしたのも事実。

研究に打ち込んだおかげで34歳で九州大学の教授になった(32歳のとき別の国立大からも教授のオファーがあったが断った)そうだが、「女性研究者は結婚は△で出産は×」などと最後のほうの章で書かれていて、そういう考えで若くして教授になってなんになるの、と思う (著者からすると、家族を大事にして研究がパッとしない人生なんておもしろくないし意味ないよ、と切り捨てるのだろうが)。なにを大事にするかという価値観の違いなのでそういう考えもあるのは理解できるが、自分はそんな生き方はしたくない、と思った。

内容が過激なので表に出せなかった、とオビで煽っている割には全然過激ではないと思うし、上記のような部分が「過激」なことなんだとすると、単に研究至上主義の価値観で書かれた本、というだけなんじゃないかなと……。世界レベルの研究をしている人はこういう考え方をしているのか、という意味では参考になった。(しかし松本先生のことは全部真似したいと思うが著者のスタイルは真似したくない部分も多々あるのが残念)