ブレインストーミングと Simulated Annealing

遠方から OB の方がいらしたので昨晩に引き続きお昼もご一緒する。行こうと思っていたうどん屋が閉まっていたのだが、水曜日に開いていないというのは潰れたという意味なんだろうか……。気を取り直して高の原イオンでうどん。@seiji42くんと2人でちょっと1時半からミーティングだったのにぎりぎりでちょっとハラハラした。

ミーティングは1時間の予定だったがたっぷり2時間。いろいろ考えるヒントをいただく。確かに……という感じだったので参考になる。どうも最近研究というのがなんなのか思考停止してしまいがちなのだが、こうやってたくさんアイデアブレインストーミング的にディスカッションするのはとてもいい。

そういえば先日紹介した多様な意見はなぜ正しいのかに関する本にも、「ブレインストーミングは初期値をいろいろ変えて性格の異なる学習器を多数走らせることを人手でやっているのと同じである」と書いてあり、そういう見方をしたことがなかったので新鮮だった。(見方の違う学習器でないといけないので、意見を出すたびに叩くと同じ見方をする学習器になってしまうので、最初は批判はしないでどんどん思いついたことを言い、焼きなまし法(Simulated Annealing)みたいにだんだん温度が下がってパラメータの更新がなくなるのは、人手でブレインストーミングするときも、しばらくしてアイデアが出尽くしたらどれかに決めてブラッシュアップしていくのと同じ、と書いてあり、なるほどな、人間のヒューリスティックは割と機械学習でも使われているのだな(もしくはその逆?)と思った。

焼きなまし法で思い出したが、世の中には蟻コロニー最適化(Ant Colony Optimization)という冗談のような本当のアルゴリズムがあるそうなのだが、これは

蟻コロニー最適化(ありころにーさいてきか、Ant Colony Optimization, ACO)とは、Marco Dorigo が 1992年の博士論文で提案したアルゴリズムであり、グラフを使ってよい経路を探すことで単純化できるような計算問題の確率的解法である。これはアリがコロニー(=群れ)から食物までの経路を見つける際の挙動からヒントを得たものである。

というアルゴリズムで、これも人間の創造的活動になんらかの対応物があるのかもしれない。

午後はひたすら翻訳のチェック。ボリュームのある本だと(なおかつ複数人で分担していると)用語の統一が面倒くさい。もともとの本も章によって著者が違うので、どうもそのあたりも翻訳が難しくなっている原因なのかもしれないが……。

しかし自分も本を書きたくなってしまった。これだけ書けたらちょっとうらやましい (笑)