空海はエンジニアのパイオニア

兄が高野山に行きたいと言うので北生駒駅から大阪経由で高野山へ。南海難波駅高野山への往復チケット(いろいろな施設の割引券とバスの2日乗車券とセット)があるので、それを買うと便利。事前に調べたところ、お盆は車で行くと3時間のところが6時間、しかも1車線で渋滞すると微動だにしない、と書いてあったのでおとなしく電車で行くことに。

特急に乗って行こうと思ったのだが、特急がちょうど出たタイミングだったので、急行でまったり。着く時間はあまり変わらないようだ。

最後はケーブルカーになるのだが、相当傾斜が急で、しかも帰りに判明したことなのだが、2台のケーブルカーを1本のワイヤーでつないでいて、片方が上がっているときはもう片方が下がる、というように同期して動いているらしい。これはすごいケーブルカーだ……。

金剛峰寺やら奥の院やらを歩いて回る。霊験あらたかという噂を聞いたのだが、そこまででもないかなぁー。観光スポットになってしまっているせいかもしれない。山の中が寺を中心とした町になっていて、幼稚園から小学校・中学校・高校そして大学まであってすごい。高校生の剣道部員と思われる男女が道着を着てランニングしていて青春っぽくてうらやましかった (笑)

空海がまつられている奥の院の入り口から先は写真撮影も禁止だそう。「弥勒石」という石が入り口を過ぎたところにあるのだが、これをどうも片手で持ち上げると願いが叶うらしい。人が空いているときに挑戦したら持ち上がった! 今回の願い事は自分のことではなく家族が健康でありますように、円満でありますように、とお願いしたのだけど、ご利益あるかな?

空海は20年の約束で命をかけて中国に渡り(実際彼と同時に出た4隻のうち2隻が遭難)、2年で帰ってきたわけだが、当時海外で最先端の知識に触れてみて、これは日本に持ち帰らなければならない、と思ったのだろうなぁ(真言宗の人には悪いが、空海はどうも仏教にそこまで肩入れしているように見えないし……)。「虚しく往きて実ちて帰る」という言葉を残したとされるが、哲学とか宗教とか、そういう観念的なものを学ぶために中国に行かされたものの、行ってみたら溢れるくらいの科学知識がそこにはあって、土木知識や薬学知識をものすごい勢いで吸収し、いち早く日本に伝えるために帰ってきた、という感じなのかもなぁ(想像だけど)。そして、そういう科学知識を伝えるためにも、表の顔として密教を教えていた、というような……(ホンネとタテマエ、いつの時代にも聞くような話だが) 現代にも空海みたいな人がいるといいのだけど。

関西に住んでいないとなかなか行こうという気にならないので今回行けてよかったが、1日宿坊に泊まってみるとまた違うのかもしれない。

最後におまけだが金剛峰寺の男子トイレにあった張り紙。用を足すのも修行なのか……