高速道路を降りてみると見えてくるものもある

昨日@bluedwarf_1127 さんが日曜日 NAIST に来るとメールいただいたので一緒にご飯を食べてくる。@bluedwarf_1127 さんについて知らない人のために補足しておくと、OpenOffice.org の日本語入力環境の改善とか Linux での日本語入力(SCIM)の改善とかやっていらした関係で知り合い、今に至る、という感じである。(よくよく年齢を聞いてみると自分の8歳下だった。あまり年齢関係ないですなー)

去年の入力メソッド飲み会では実はヴルカヌス・イン・ヨーロッパというEUの企業で1年間(4ヶ月の語学研修+8ヶ月の企業就業体験)インターンシップできるプログラム(経産省EUが協力している)に行っていた関係でお会いできなかったので、1年半ぶりくらいになる。自分もその後奈良先端大に就職したし、@bluedwarf_1127 さんも来年修士を卒業&就職だそうで、お互いの近況やら日本語入力の将来についてやらいろいろ話してみたり。

海外にしばらくいると日本に帰ってきて留学生に優しくしたくなりますよね、という話をしたり、A か B かではなく A も B もやりたいんですよね、という話をしたり、いろいろと考え方が似ている人と話すと元気になれる (笑) もっとこういう人が日本に増えてくれるといいのになぁ、と思うのである。早速研究室の SNS にも在EU企業インターンシッププログラムの紹介をポストしてみた。他の人たちと同じようなコースにはならないかもしれないが、行ったら行っただけ学ぶこともあるだろうし、若いうちに行けるところに行くのはよい経験だと思う。

確か「イスラーム思想史」だったかと思うが、

イスラーム思想史 (中公文庫BIBLIO)

イスラーム思想史 (中公文庫BIBLIO)

イスラームは中世世界を覆う巨大な帝国(西はスペイン・ポルトガルから東はインドネシアまで)であり、イスラーム支配下の地域で産まれた若者は若いうち(イスラーム帝国は巨大だったので、各地に点在する)大都市を遊学して経験を積む、という慣習があったそうだが、いまや世界はどこでも飛行機で簡単に行ける時代だし、若者は世界各地の文化を見て経験を積むとよいと思うのだ。行くところはいろいろな偶然が積み重なって決まるものだし、若ければ環境の変化にもすぐ順応できるので、あとはえいやと思い切るだけで……。

失敗するのも一つの経験だし、失敗を積み重ねないと成長できないから、むしろ失敗を恐れず「この国でよかったんだろうか」とか「この大学(企業)でよかったんだろうか」とか行く前に逡巡するのでなく、行ってから「ああ、ここがよかった、ここが悪かった」と思えばいいわけで。人一倍失敗する人こそ、人一倍成功するのだし、飛び込んでみないと分からないことはたくさんある。若ければ若いほど、そういうのを笑い話にできるし、失敗でも成功でも全部笑い話にできるような余裕がある人が増えてほしいなと思うのである。

「新卒で就職したいならこう動かないといけない」みたいなのって、要は高速道路の先の大渋滞理論で言えばみんな高速道路に乗っかっているだけで、すーっと進んでいるように見えてどんどん身動きが取れなくなっていて、気がついたら後戻りできなくなっているような状況だと思う。一つ下道に降りて自分の勘を頼りに進む訓練をすることで、慣れてきたら詰まっている人たちを横目にすいすいと先に進めるようになっているわけで。(もちろん、全く見当違いの方向に行って帰って来れなくなるリスクもあるし、怖い人は従来通り高速道路を進まれるとよかろう。)

帰り京都まで車でお送りし、道を思い出せてよかったのだが、帰りは行きと違った高速に乗ってしまってあやうく大阪のほうに行きかけた。あぶないあぶない……。高速道路は行き先をちゃんと確認せずに乗ると危険である。(←高速道路の間違った使い方)

また年末の入力メソッド飲み会 2010 でお会いしましょう! (今年の10大ニュースはなんだろう(笑))