例外だらけだから言語学はおもしろい

Pain de Mie BAKERY CAFEでモーニングセットを食べていると、昨晩の Bistro Chat Noir のマスターたちに声をかけられてびっくり。もしかしたらこれまでもここで会っていたのかもしれない (笑) このパン屋、朝7時くらいから開いているのと、根津駅や東大に行く途中にあるのでよく利用させてもらっている。特に土日は観光客(外国人多し)でごった返すのだが、なにかの観光ガイドブックに載っているのだろうか。地図を開いて作戦会議する人も多い。

大学に行ってぶらぶら。本郷の総合図書館に行ったのだが、みんなエアコンない一人暮らしなのかなにか分からないが、人がいっぱいで酸素不足。しかも(前もそうだったが) e-mobile つながらないし……。

そういえば Word 2003 から参考文献を自動で作ることができるようになった(デフォルトで入っているスタイルファイルは少ないので、BibWord も必要)のだが、これで参考文献を入れるの、自分ではできるのだが、誰かにこれで作ったファイルを送るときはスタイル崩れるのだろうか。いまいち使いにくい。(自分が書くなら最初から LaTeX で書けばいいのだが、それは別の話)

お昼は根津まで帰ってきてSPIGAで食べる。可もなく不可もなく。

今日は「対談 言語学が輝いていた時代」を読んだ。これ、言語学(!= 言語)好きな人は超おすすめ。

対論 言語学が輝いていた時代

対論 言語学が輝いていた時代

言語学好きな人はみんな知っていると思うが、鈴木孝夫田中克彦という二大巨頭が日本の言語学分野の裏側をあーだこーだ話していておもしろすぎる。鈴木孝夫井筒俊彦の弟子だということを恥ずかしながらこれで初めて知ったのだが、どのように弟子を教育していたのか(超スパルタ)も書いてあっておもしろい(笑) Amazon の商品説明に「大言語学者たちの在りし日の姿、凄さ、変人ぶりがまざまざと眼前によみがえ」るというのは誇張ではない。

他にも東大の言語学科は「言語学には適性があるので、2-3回授業に出ておもしろくなかったら、それから先は時間の無駄だから辞めなさい」と最初に言われるらしく「分からなくてもやっていればそのうち分かるよ、なんてごまかしは言わないのでとても親切」と書かれているが、確かにその通り(笑)

アメリカ留学時代の話なんかを読むと、意味論はアメリカの中野言語学ではほんのここ数十年注目されてきた分野なんだなぁ、ということを、今さらながら感じる。それまでは意味なんて考慮の対象外だったのだなぁ。(大陸の言語学とは違う) まあ、自分も NAIST に来る前は、アメリカの記述言語学を研究テーマにしようと思って、台湾かインドネシアかどこかでフィールドワークしようと思っていたわけなので、最近計算機にばかりかまけていて忘れていたことを思い出した、という感じであるが。

他にも日本の学会批判、チョムスキー批判、言いたい放題で楽しい。田中克彦に至っては、「哲学を再評価しようなんて動きがあるようだが、そんな無駄なことは止めてもらいたい。せっかくそういう流れを排除してまともになってきたのに」というような事が最後のほうの章で書いてあったり、それぞれの学者のスタンスもあるだろうが、おもしろい。2人の意見として共通しているのは、言語学は科学ではない、例外だらけだからこそ言語はおもしろい、ということに尽きるかな。

そのうち「自然言語処理が輝いていた時代」というのも書かれたりするのだろうか。それを出版しなければならないのが50年後であることを祈る (笑)