世界を目指す大学ではなく世界をリードする大学

MIT で思い出したが、「プロフェッショナル仕事の流儀」の

を見た。世界レベルの研究をするためにはどこまで厳しくなければならないか伝わってくるので、大学院生はみなさん見られるといいと思う(自分も最初 YouTube だったから見なかったのだが、オンデマンドで用意してくれないのかなー)。

あと、修士で入っても研究室外の人と仲良くなれるのは最初の4ヶ月が勝負なので、@sukarat さんのブログにあるように、(情報科学研究科のみだけど)今年のNAIST M1 交流会 (NAIST M1 グランプリ)も盛り上がったようで、こういうのに参加するのもいいと思う(120/139 人の参加ってまたすごい……。自分らの代もこういうのあったけど、数十人の参加だと聞いたような? 自分は参加しなかったのだけど) @tomo_wb さんもNAIST M1 グランブリについて書いているが、こういうのの実行委員も研究室を超えた友人が作れていいと思う。去年まであった学内のコンペ型実習(CICP)もいい試みだと思っていたのだが、そちらは財源がなければ続けられないか……。

今年の M1 向けの研究室紹介で、どこかの研究室の人が「世界を目指す研究室ではなく、世界を引っぱって行く研究室です」と言ったという話なのだが、かっこいいものである。NAIST M1 グランプリでも締めの言葉で「NAIST は日本一になりました。これからは世界一を目指しましょう」という言葉があったそうで、学生の中からそういう言葉が出てくるのはすごいなと思う。朝日新聞の一面で NAIST は研究力・教育力で日本一の大学だと書かれて、一般の知名度が上がる宣伝効果はものすごくあったと思うが、たぶん一番効果が高いのは、こうやって学生が「NAIST はトップクラスの大学だ」と思ってくれることじゃなかろうか。教職員がいくら言ってもセールストークにしかならないが(そういう意味で学生でいるうちにできるだけ魅力をお伝えしたつもり(笑))、学生がそういう気持ちでいてくれるのはとてもいいことである。

企業からの寄付金だけで運営できる大学のは MIT メディアラボと Stanford くらいだと先日聞いたが、NAISTStanford くらいいい(=ほどよく田舎)環境にあるし、京都-大阪-神戸のあたりが情報系に取って盛り上がれる場所であれば、世界をリードする立場に立てると思うのだけど、さすがに10年20年の話ではないので、地道にやるしかないかな。西の Stanford、東の MIT みたく、西のそういう大学が NAIST だとすると、筑波も MIT みたいなポジションに立てると思うのだが、独立した研究室を助教や准教授でも持てるのはよいとしても、若手の負担が大きすぎて筑波でうまくやるのは難しいのかもと思ったりもする。NAIST も筑波も団塊の世代が引退するあと5年前後で大きく変わるだろうし、それが吉と出るか凶と出るかは分からないが、チャンスをプラスに変えて進んで行けるといいなと思う。