しばらく引っ越しやら卒業・着任やらで本を読む時間も全く取れていなかったのだが、過去に読んだ本の紹介。
- 作者: C.R.ラオ,柳井晴夫,田栗正章,藤越康祝
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/02/09
- メディア: 文庫
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なるほど、と思ったのは、統計学はいまでこそ情報科学の発展によりさまざまなところで活用されているが、昔は国勢調査みたいなところでしか使われていなかった、という話。大戦中には「いかに効率よく健康な男子を徴兵できるか」ということが重要なテーマなのだが、稀にしか出現しない(が罹患していれば致命的な)病気に対し、お金も時間もかかる検査を全員に対してすることはできない、というとき、どうするか、という問題。そういうとき、統計学の力を借りて、たとえば1000人の血液を混ぜて検査して、陽性と出たらそのグループの人を詳しく検査することで、全体の検査回数を激減させることができる、という話(どれくらいの誤り率でどれくらい回数が削減できるか、という理論的な保証を与えてくれるのが統計学)。与えられた制約の中でいかに効率を上げるか、という工学的な課題は現代にも通じるところがある。
もしくは、科学史的なトピックであるが、メンデルの法則の実験について統計的手法でデータを解析してみると、あまりに理論的な予測値と適合しすぎているので、メンデルの法則の実験は捏造であった可能性が高い、という話とかも書かれている。この話自体は科学史では有名な話である。あるいは、ガリレオが行ったとされる、斜面にボールを転がして落体の法則を検証したと語り継がれている有名な実験も、実際には実験していないことがほぼ確実なことは科学史的には常識である。こういうのも、統計学の力を借りて検証されたものである。
ただ上記の本は(ほとんど数式は出てこないものの)専門書のような雰囲気を醸しているので、もっと気楽に統計の話を読みたい、という人は
- 作者: デイヴィッドサルツブルグ,David S. Salsburg,竹内惠行,熊谷悦生
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/03/20
- メディア: 単行本
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- 作者: デイヴィッド・サルツブルグ,竹内惠行、熊谷悦生
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/04/01
- メディア: 文庫
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